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部落問題資料室
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人権・平和・環境を軸にした政治の実現に向けて参議院選挙闘争に全力でとりくもう

「解放新聞」(2013.07.01-2625)

 いよいよ参議院選挙が、7月4日に公示される。昨年末の衆議院総選挙で、民主党の自壊ともいえる大敗北で自民党が政権復帰をはたし、第2次安倍内閣が発足した。
  安倍内閣は、景気回復策を前面に押し出した「アベノミクス」効果期待による高い支持率を維持しながら、参議院での与党の過半数を実現し、「ねじれ」を解消しようとしている。しかし、その先にあるのは、憲法改悪であり、「戦争のできる国」づくりだ。
  自民党は「参議院選挙公約」のなかで、デフレからの脱却と経済成長をめざし、「次元の違う金融政策」をすすめるとしているが、すでに株価の乱高下で「円安・株価の高騰で企業業績の回復と賃金の上昇」とした「アベノミクス」の破綻も明らかになっている。しかも、円安によってパンやマヨネーズ、水産加工品などの食品と衣料品の値上がりが続き、この夏には、電気・ガスなどの公共料金も値上げされ、われわれの生活を直撃する。
  こうして、格差拡大社会がますます深刻化しているにもかかわらず、防衛予算を11年ぶりに増額する一方、今国会では、「生活保護法」の改悪がすすめられようとしている。なによりも生活保護を権利ではなく、「施し」とすることで、生活困窮者を社会的に分断・排除するものである。小泉政権いらい、新自由主義のもとですすめられてきた反人権主義・国権主義の復活を許してはならない。

 われわれは、こうした安倍政権のすすめる反人権主義、国権主義の悪政に歯止めをかけるために、参議院選挙に全力をあげなければならない。
  すでに、都府県運では、選挙区での推薦候補の必勝に向けたとりくみがすすめられている。比例区でも、相原久美子(自治労)、石井一(民主党副代表)、大島九州男(民主党政調副会長)、神本美恵子(日教組)、又市征治(社民党幹事長)、山城博治(沖縄平和運動センター事務局長)、吉川沙織(情報労連)などの推薦候補を決定し、それぞれ重点地域を割り当てて支援活動がすすめられている。
  今回の参議院選挙闘争では、選挙区、比例区とも推薦候補者と政策協定を結んだ。政策協定では、憲法改悪反対、人権侵害救済制度の確立をはじめとした部落解放・人権政策の推進、狭山再審に向けたとりくみのほか、東日本大震災の復興支援、脱原発政策の推進、沖縄をはじめ、国内の米軍基地の縮小・撤去など、人権・平和・環境を軸にした政治の実現をめざした課題をとりあげている。
  今回の参議院選挙では、比例区選挙でも候補者との政策協定を結び、政党名ではなく、候補者個人の名前を書いて投票する。われわれがとりくんできた部落解放運動の課題を政治の場で実現していくには、部落解放運動や人権問題に積極的にとりくむ姿勢を明確にした候補者を支援していくことが必要である。そのためにも、われわれ自身が政治と向き合う力をつけ、政治に求めるものをしっかりと自覚して、この参議院選挙を全力でとりくもう。

 「ゴキブリ、ウジ虫、朝鮮人を一匹残らず叩きっぶせ」――在日コリアンが多く居住する東京・新大久保で公然と民族差別のヘイトスピーチを大音量で流しながらデモ行進する。橋下徹・大阪市長(日本維新の会共同代表)は「あれだけ銃弾の雨嵐のごとく飛び交うなかで、命かけてそこを走っていくときに、そりゃ精神的に高ぶっている集団、やっぱりどこかで休息じゃないけども、そういうことをさせてあげようと思ったら、慰安婦制度ってのは必要だということは誰だってわかるわけです」「慰安婦制度じゃなくても風俗業ってものは必要だと思いますよ。それは。だから、僕は沖縄の海兵隊、普天間に行ったときに司令官の方に、もっと風俗業活用してほしいって言ったんですよ」などの差別暴言を居直っている。自民党の高市早苗・政調会長は「原発は廃炉まで考えると莫大なお金がかかるが、稼働中のコストは比較的安い。東日本大震災で悲惨な爆発事故をおこした福島原発もふくめて死亡者が出ている状況にない」と原発再稼働に言及する。
  これが、今日の日本社会の人権状況である。しかもこうした発言の背景に共通するのは、安倍首相の時代錯誤の歴史観、反人権主義による言動があることは明らかである。
  これ以上の反人権主義、国権主義の伸長を許してはならない。今回の参議院選挙はまさに、今後の政治の方向を定める重要なとりくみである。すべての推薦候補の当選をかちとるために全力で奮闘しよう。


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