憲法改悪を阻止し、人権と平和の確立に向けて参議院選挙闘争に全力でとりくもう
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参議院選挙が7月4日に公示された。投開票は、21日だ。今回の参議院選挙は、憲法改悪を狙う安倍政権が参議院での与党の過半数実現に向けて、景気回復策を前面に打ち出し、支持を集めようとしている。
6月23日に投票のあった東京都議会議員選挙では、自民党59議席、公明党23議席と、自公の候補者全員が当選した。参議院選挙直前の選挙ということもあり、選挙結果が注目されたが、第1党であった民主党が前回の54議席を15議席と激減させ、第4党になったことも大きく報道された。また、34人の候補者を擁立した日本維新の会は、3議席から2議席と現有議席も守れずに惨敗した。一方、この選挙の投票率は43.5%で、過去2番目の低さである。期日前投票が8.33%であるから、投票当日に投票会場に出向いた有権者は4割以下となる。閉塞感が深まる社会のなかで、とくに若者の棄権が、低投票率の大きな要因とされている。
しかし、行動をおこさなくては変革は生まれない。われわれ白身の行動が政治を、そして社会を変える原動力である。安倍政権の暴走に歯止めをかけ、いのちと生活を守り、人権と平和を基軸にした政治の実現のために、必ず投票をしよう。
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投票率の低さの原因には、どの候補者に投票しても変わらないという政治への無関心さもあるだろう。しかし、安倍政権の景気回復策を前面に押し出した「アベノミクス」では、一時的な株価の高騰と円安の進行による自動車産業などの輸出産業の業績回復があったものの、実体経済の拡大をともなわないままでの株価上昇はバブル経済にはかならない。バブル経済の崩壊は、かつての世界金融危機を引きおこした、リーマンショックでも明らかなように、社会全般、とくに社会的弱者をさらに窮乏させることにつながる。
そのうえ、社会保障制度の改悪、低賃金のままでの物価上昇、原発推進、そして来年4月からの消費税増税である。まさに、いのちと生活を守るためにも、この参議院選挙は、われわれの選択が大きな意味をもつのである。
今回の参議院選挙で、われわれは、選挙区、比例区とも推薦候補者と政策協定を結んだ。とくに比例区では、相原久美子(自治労)、石井一(民主党副代表)、大島九州男(民主党政調副会長)、神本美恵子(日教組)、又市征治(社民党幹事長)、山城博治(沖縄平和運動センター事務局長)、吉川沙織(情報労連)などの推薦候補を決定し、それぞれ重点地域を割り当てている。選挙区での推薦候補はもちろんのこと、比例区でも、政党名ではなく、選挙協定を結んだ候補者の個人名を書いて投票しよう。そのことが、われわれの政治に求めるものを明確にする具体的な行動である。
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6月29日に閉会した国会では、最終盤に安倍首相への問責決議が参議院で可決され、さまざまな法案が廃案となった。安倍首相は、こうした「ねじれ」を解消し、政治を安定させるためにも、参議院選挙で過半数獲得の必要性を強調した。しかし、いま安倍政権に参議院での与党の過半数を与えれば、その先にあるのは、憲法改悪と「戦争のできる国」づくりである。
2009年の政権交代で民主党政権が誕生したが、その後の稚拙な政権運営、党内不一致の拡大などで、政権を失い、自民党政権を復活させてしまった。われわれは、かつての民主党政権にたいして、消費税増税やTPP参加問題などを支持しなかった。また、「人権委員会設置法案」の取り扱いにも強い批判をしてきた。しかし、政権交代の意義は大きなものがあったといえる。それは、われわれの選択が、政治を動かし、政治に求めるものを明確にしてきたことである。
今回の参議院選挙が、われわれがめざす人権と平和の確立をめざすとりくみにとって重要であることはいうまでもない。一人ひとりの行動、選択が政治の変革につながる。反人権主義、国権主義の政治に歯止めをかけるために、すべての推薦候補の必勝に向けて、参議院選挙闘争に全力でとりくもう。
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