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部落問題資料室
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主張

 

あらゆる差別をなくすために全国の青年の力を結集しよう

「解放新聞」(2013.07.22-2628)

 本年9月21、22日の2日間、和歌山県民文化会館で、800人規模で第57回全国青年集会(全青)を開催する。すでに、和歌山県連、和歌山県連青年部、分科会遷宮を担当する都府県連青年部を中心に、集会成功に向けたとりくみがすすめられている。
  「狭山事件50年!青年が先頭に立ち、再審勝利に向けとりくみ、人権・平和・環境を基軸とした部落解放運動を全国のなかまとともに創造・実践し、大きく前進させよう!」をスローガンに開催する和歌山全青は、1989年いらい、24年ぶり2度目の開催となる。

 今年で、狭山事件は石川さんの不当逮捕から50年をむかえた。近年、足利事件、布川事件、東電社員殺害事件などの多くのえん罪事件が明らかになり、再審無罪をかちとった。こうした好機を逃さず、第3次再審の実現と石川一雄さんの無罪をかちとるため、原点にかえり闘いの歴史から学ぶとともに、石川さんの無実を広範な人びとに訴えていく、創意工夫したとりくみが重要だ。また、えん罪防止に向けた証拠開示と、取り調べの全面可視化の法制度確立に向けた青年の積極的なとりくみをすすめていかなければならない。

 国内では競争と自己責任の名のもとに、格差と貧困が拡大し、若年層へ深刻な打撃をもたらしている。昨年全国の自殺者数は15年ぶりに3万人を下回った。しかし、20代を中心とする若い世代の自殺率は依然として高い水準にある。部落解放運動は、いのちと生活を守り、人権・平和・環境の確立をめざす運動である。しかし、その部落解放運動にも、青年の結集が減少してきており、運動離れが深刻な青年部運動の停滞としてあらわれてきている。生まれ育った被差別部落に住むところがない、仕事がないという状況から、運動に参加したくてもできない現状もあるだろう。それぞれの地域の実能だ即した運動の展開が必要だ。
  昨年の福岡全青で、水平社創立から100年をむかえる2022年に、後輩たちに責任をもって「よき日」になったといえることをめざそうと確認した。それぞれの地域で新たな試みをはじめたところもあるだろう。全国の青年が結集し、実践交流と論議を深め、活発な意見を出し合い集会の成功をかちとろう。

 社会不安のなか、陰湿で巧妙な人権侵害や差別事件があいついでいる。土地差別調査事件、戸籍等個人情報大量不正取得事件、『週刊朝日』差別記事事件、インターネット上の差別書き込みなど枚挙にいとまがない。これまでの運動の成果によって、露骨な差別言動は少なくなったが、いまだに就職・結婚といった場面で深刻な差別事件がおきている。
  こうした差別の実態をふまえ、差別のあらわれ方や差別の実態を議論していくことも必要だ。青年らしい柔軟な発想と行動力で「よき日」をめざし、一歩一歩確実に前進し、あらゆる差別をなくすために全国の青年の力を結集して、闘いをすすめよう。


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