人権の法制度確立訴え
町民報告学習会で
差別事件から課題を学ぶ
「解放新聞」(2013.08.12-2630)
差別事件の学習中また発生
主催者代表あいさつをおこなった宇野一雄・愛荘町副町長は、県内で不動産取引にかかわっての差別事件や戸籍等不正取得事件などが多発している。愛荘町でも昨年6月に同和地区問い合わせ事件(別項参照)がおこり、地区別人権学習会をすすめていた最中に「E中学校体育館差別落書事件」が発生したと経過を報告。「教育現場での差別落書事件で、これまでのとりくみに逆行するもの。強い怒りを感じる。みなさんとともに人権確立のとりくみをよりいっそう前進させていきたい」と強調した。
社会システム変革の闘いを
竹中秀雄・愛知郡協議会議長も連帯のあいさつをおこない「全国水平社創立以来90年の闘いをしっかりと受け継ぎ部落差別の撤廃に向けて町民の皆さんと連帯し実践活動を強化したい」と訴えた。
小杉善範・町教育委員会教育次長が事件の経緯、分析、今後のとりくみを報告。河嶌誠治・E中学校教頭が学校の現場から報告をおこなった。
その後、大阪市立大学人権問題研究センターの谷元昭信さんが「愛荘町における差別事件から考えること」と題し、差別問題にとりくむ必要性を、▽差別を生み出す社会システムや差別意識を変革するという基本姿勢を堅持する▽差別は加差別者の「人間性」も損ない、人間関係そのものを破壊する▽事件は差別を生みみ出す差別意識や社会システムの存在によって必然的に発生したもので、糾弾の目的はこのような差別を再生産する社会システムを変革させる闘い、とのべ、今後のとりくみとして①「人権の法制度確立」に向けた闘い②「人権のまちづくり」運動③「人権教育・啓発活動」の強化、の3点を提起した。
E中学校体育館差別落書事件の概要
2012年7月13日午前7時25分、愛荘町立E中学校の第一体育館の北面の引き戸と東面の北端の壁面に「エタ 死」と落書がされており、クラブ活動の朝練習をしていた生徒たちが発見、クラス担任とクラブの顧問に報告した。
落書は引き戸部に210cm(ヨコ)×76cm(タテ)、壁面に130cm(ヨコ)×130cm(タテ)で、黒色スプレーで書かれていた。
電話による同和地区問い合わせ差別事件の概要
2012年6月6日午前11時40分すぎ、総務課に女性の声で「地域のことが聞きたいので住民課につないで」と電話があり、住民課に転送。そこで「愛荘町の○○というところがあるが、そこは同和地区か」と問い合わせがあった。職員が「そのようなことはお答えできない」と説明すると「どこに聞けばわかりますか」と質問。人権政策課に電話を回し名前を確認したところ「匿名です。地域的に○○はどうなんです。治安というか。同和地区ですか」と答えた。そのようなことは答えられない、とあらためて名前を確認したところ「匿名です。ほな、いいわ」といって電話を切った。
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