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部落問題資料室
NEWS & 主張

事実関係隠す
誰も問題指摘せず
認識レベルの低さ露呈

Y社確認会で

「解放新聞」(2013.08.26-2632)

 Y住宅販売会社差別事件の第1回確認会を8月9日午後、和歌山市内の同和企業センターでおこなった。これには片岡、和田両中執、櫻井正之・群馬県連委員長、和歌山県連から飯田、池田両副委員長、藤本書記長や、同盟員、共闘会議、県実行委員会のメンバー100人が参加。Y社側からは本社の取締役営業部長、和歌山店長、差別記載をおこなった社員Aなど7人が出席、和歌山県の行政関係者も出席した。確認会では、①Aが特記事項に「同和地区」と書いたという新たに発見された4件の競売仕入れチェック票の詳細②Aがなぜ差別記載をおこなったのか③差別記載をめぐる会社側の対応、の3点について事実関係をただした。

新たな4件がどこのどのような物件か不明と

新たに4件を発見
  事実確認会のなかで、①では、▽新たに発見された4件については、2月頃に本社の人間がチェックして発見、県の宅建協会などの指導で、書いたというAに確認もしないままシュレッダーで処分した▽4件がどこのどのような物件かは不明、という事実関係を覆い隠そうとする回答に終始した。
  この4件について、Aは会社から「物件とサインがあった」と指摘され、不落札物件は記憶からなくなっていたがたしかに書いている、と回答した。確認会の場で事実関係も明らかにせず、しかも7月まで県行政と事実の確認をしてきたはずなのに報告もしてこなかったY社の不誠実な態度をただした。
  ②では、Aが8月に辞めるとしているが、それは責任をとり、事件をうやむやにするためかどうかを尋ねた。Aは、昨年から辞意を決意していたが、すぐに辞めることができず今日にいたったこと、今後も可能な限り話し合いに出席することを約束した。
  「同和地区」とチェック票に特記したことについては、▽会社から指示されたものではなかった▽過去の販売で売れなくて長期在庫となった経験がある。長期在庫になると給料にかかわる▽広告への問い合わせや販売に声もかからなかった▽「同和地区」は避けたいとの意識があった▽トラブルを避けたいという思いがあった▽土地を区別しているという意識だった、と語った。
  さらに、▽過去に教えられた知識や自分で調べ「同和地区」と特定した▽地元で聞くのは自殺、他殺の競売物件での有無(こうした物件は購入しない)だが、あそこは同和地区と尋ねなくても教えてくれる人もいる、とものべた。
  ③では、「同和地区かどうかを調べることはいっさいやっていない、(Aの)個人的な立場で(特記は)やったこと」(取締役営業部長)、「(「同和地区」が)仕入れ票のなかの判断材料でなかったので見過ごしてきた」(和歌山店長)と語った。しかし、この1年間でAは20件の調査物件中7件も特記事項として「同和地区」と書いていたことになるが、和歌山店でも本社でも、多くの社員の目に触れながら誰も問題を指摘せず、差別情報の提供がそのままとされてきたことの問題を指摘した。たとえばと、片岡中執が「結婚の紹介のさいの情報に「同和地区」と書かれていたら」問題かどうかについて問うと、取締役営業部長は「(差別かどうかということは)分からない」と答える始末。部落問題そのものの認識のレベルの低さが露呈した。
  こうしたことから、最後に片岡中執は、①新たに判明した4件の問題―物件の所在地などを明らかにすること。誰がどういう経過で処分したかも明らかに②チェック票の記載を誰も問題にしなかったことの問題③「同和地区」という記載のどこが、どのように問題かを明確に、の3点を次回の確認会で明らかにすること求めた。


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