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部落問題資料室
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あの時代の轍ふむな
戦争犠牲者追悼、平和を誓う8・15集会

「解放新聞」(2013.09.02-2633)

 敗戦から68年目の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で、「フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)」が主催する「戦争犠牲者追悼、平和を誓う8・15集会」がひらかれた。12時の時報にあわせて黙祷がされた。平和フォーラム、民主党、社会民主党や立憲フォーラムの代表が誓いの言葉をのべて平和を希求する決意の表明、献花をおこなった。続いて、平和フォーラムの中央加盟団体の献花と200人の参列者が献花した。
  平和フォーラムの福山真刧・代表は、「天皇はポツダム宣言を受諾し、大日本帝国は崩壊した。アジアでは2000万人が亡くなった。私たちはアジアの人びとに償いきれない責任を負っている。平和主義の憲法は戦後の出発点となったが、自民党政府により、憲法の空洞化がすすめられた。いまや世界の5本の指にはいる軍事大国となったが平和憲法のおかげで、戦闘行為による戦死者は出していない」と、平和憲法のはたしてきた意義を強調。安倍政権による新たな戦争への危機にたいして断固として反対し、平和への闘いを粘り強くすすめる決意を戦没者への誓いとした。
  民主党からは那谷屋正義・参議院議員が海江田万里・代表のあいさつを代読し、「昨今、「戦前の日本の行動を美化しようとする排外主義的な風潮やそれと結びついた軍事力行使への憧憬」を批判、「平和構築に邁進してきた戦後日本の努力を無にしかねないこのような動きにたいしては、国民とともにこれを断固として阻止していかねばなりません」と決意をのべた。社会民主党からは福島瑞穂・参議院議員、立憲フォーラムからは阿部知子・副代表がそれぞれあいさつし、非戦への決意を表明した。
  この日の靖国神社はいつもより多くの参拝者で境内には長い列ができた。しかし、靖国神社の本質を示すA級戦犯のなしくずし的合祀にたいして、天皇でさえ参拝を拒否したままにある。大陸侵攻の闘いを聖戦と信じこむことでなりたつ靖国境内の「アジア解放の共同幻想」。そのなかで誇らしげに右翼たちが闊歩する。靖国神社に「英霊」はいない。「英霊の檻」に閉じ込められ、不本意な死と殺人を強制された者たちの亡霊が悲しみの悲鳴をあげ、解き放たれるときを待っているだけだ。
  1930年代には、水平社への弾圧、労働運動への弾圧とともに、民族排外主義が強化された。安倍政権の先には、あの時代と同じ轍が見えている。

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