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部落問題資料室
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主張

 

ネット・高齢社会にも対応した「解放新聞」の改革などで論議しよう

「解放新聞」(2013.09.09-2634)

 この間、中央本部はブロック別に全国教宣部長・機関紙担当者会議を6月25日~7月1日にかけて、全国4か所でもった。
  「解放新聞」中央版・支局版の現状を中心に各都府県連・支局が報告し、意見交換をおこなってきた。機関紙・教宣活動の重要性を再確認し、実態を集約して今後のあり方、とりくみ方向を論議していくことが確認された。
  各都府県連の報告では、「支部長が1軒1軒、手配りしている」「女性部が新聞を手配りしている」など、ていねいな配布体制や各支部や地協の日日の努力が報告された。その一方で、「県連から各支部長宅まで郵送しているが、支部長の家に山積みされている解放新聞を目にすることがときどきある」「支部長の家で会合があれば配布するが、集まる機会がないとなかなか配られていない実情にある」といったこともあわせて報告された。

 あらためて「解放新聞」という機関紙を発行する意義3点を再確認したい。
  第1点は、〝解放運動を臨場感をもって伝えるツールのひとつ″として重要であるということ。全国でおこっている部落差別事件を紹介し、各地区や支部でとりくまれている人権のまちづくり運動や生活改善のとりくみなどを紹介することによって、全国の部落解放運動への連帯感・一体感を「解放新聞」をとおして共有することにある。
  第2の点は、〝すべての被差別部落関係者を鼓舞する役割″である。水平社結成時によびかけられた「全国に散在するわが特殊部落民よ団結せよ」の基本理念はいまなお、「解放新聞」を通じて全国に訴えられている精神である。差別に抗う被差別部落の人びとにたいして勇気と組織への団結をよびかけ、部落解放運動を鼓舞する役割を機関紙が担っているということである。
  第3点は、〝財源問題″である。部落解放同盟が何を考え、政治に何を求めているのかなどを知り得るツールの一つとして「解放新聞・中央版」は重要な役割を担っている。そのことを知るために行政関係者や各級議員、労働組合関係者、もちろん部落解放運動にとりくむ活動家などが「解放新聞」を購読し、そして、購読料を払うことにより、組織運営のための一定の財源確保に役立っている。組織を維持し、発展させていく役割でも、機関紙活動は重要な役割を担ってきたのである。
  しかし、現実は、時代の変化とともに、とどまるところを知らない右肩上がりの高齢化という各部落の実態が、現状の「解放新聞」の部数減を加速させていっていることは紛れもない事実である。
  「支部長の家に郵送しても高齢のため「解放新聞」を配布する元気がない」といった意見が共通の課題として横たわる。「受け取っても字が小さくて読めない」「切り詰めた生活で新聞代は厳しい」という問題もある。
  この現状に手をこまねいていても機関紙の部数増が期待できるわけではない。
  つまり、部落差別がこの社会に現存し、いまもなお苦しむ人びとがいることを訴えるツールの一つが、機関紙であることはいうまでもないが、有料である以上、買わない人へは屈かないという欠点をもつ。ある県連では、自前で無料の「解放新聞県連版」を発行して、すべての被差別地域とそこに住んでいる住民に届けたいとの意気込みを披露してくれたところもある。

 「解放新聞」購読数の現状を維持し、さらに拡大していくことは容易ではない。また、同盟員や部落解放運動関係者に情報を届けるツールが紙媒体だけの時代でもなくなってきていることも事実である。従来のシステムをそのまま維持し、とどまるところを知らない高齢化の被差別部落に「解放新聞」を有料で購読してもらうというとりくみに赤信号が点滅していることも事実である。
  早急に改革案が提案されなければならないときにある。
  その第1には、解放運動の現状や課題を広く訴えるツールは、もちろん紙媒体だけではない。紙媒体もふくめ、ネットなど多様な方法で、運動を広く全国に知らせるという運動にふみこむことを真剣に検討すべき時代をむかえたこと。
  第2は、全国に散在するわが被差別部落と被差別部落出身者、さらには、解放運動に賛同する関係者など、すべての人たちに訴えるビラやチラシなど、無償配布できる方法などを検討すること。
  第3には、「解放新聞」の改革は、じつは部落解放運動の大改革を意味しているのであり、運動スタイルそのものの転換を急がねばならない時期をむかえているといえる。
  部落解放同盟の組織改革もふくめ、大いなる議論と勇気をもった決断が運動にも求められることになってくるだろう。


「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)