憲法問題の学習を深め、安倍政権の憲法改悪を許さない広範な闘いをすすめよう
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安倍首相は9月25日、ニューヨークでの保守系シンクタンクでの演説で、日本の防衛予算の増加額が中国の10分の1であることを取りあげ、「私を軍国主義者~とよぴたければどうぞ」と、みずからの歴史観への国際的な批判に居直り、アジア諸国との緊張関係を深める言動をくり返した。集団的自衛権の憲法解釈の見直しについては「世界の平和と安定に、より積極的に責献できる国になるため」と説明した。同日の証券取引所での演説では「アベノミクス」を自画自賛、「投資喚起に向けて大胆な減税を断行する」と表明した。
安倍首相の狙いは、これまで同様、みずからの言動でアジア諸国からの不信感、不安感を増長させながら緊張関係を強め、それを口実に日本の軍事力増強をすすめる。そのためには、改憲が必要であるということだ。しかし、米国がシリアへの軍事介入を断念したように、国際世論が示すのは話し合いによる平和的外交による国際的紛争の解決である。まさに日本国憲法がもつ平和主義、民主主義、基本的人権の尊重こそが、これからの世界平和につながる未来への希望なのだ。
安倍政権は、この憲法を改悪し、国防軍の創設をめざし、個人の尊厳より社会的秩序を優先させ、「戦争のできる国」というより「戦争をする国」づくりをすすめようとしている。われわれは、こうした安倍政権の改憲策動に断固反対し、全力で闘いをすすめよう。
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安倍首相は1日、消費税率を来年4月から8%にすると発表した。景気回復策としてきた「アベノミクス」の効果があがり、消費税率を引き上げるとしている。しかし、株価の高騰は二時的なもので、その後の株価の乱高下や円安進行による衣食品やガソリン、電気料金などの値上げは、われわれの生活を直撃している。
厚生労働省は、7月の生活保護受給世帯が158万8512世帯で過去最高になったと発表した。しかし、生活保護費切り下げをはじめ社会保障費を抑制する一方で、法人税減税をすすめ、さらに東日本大震災復興特別法人税を前倒しで廃止する見通しだ。安倍政権は、消費税増税による景気への悪影響に配慮したとしているが、消費税増税で個人への税負担を求めながら、企業への税負担を軽減するのは本末転倒の論理であり、東日本大震災復興切り捨ての暴挙である。
福島第1原発事故での放射能汚染水問題では、「コントロールされている」「完全にブロックされている」などとウソの説明をくり返し、国際的にも大きな批判を浴びている。ずさんな対応策によっていまだに汚染水の海洋流出が続いているにもかかわらず、「原発の安全技術で世界に責献していく」とまで発言した。
こうしたウソ、居直りの安倍政権がめざしているのが憲法改悪である。その手法は、麻生副総理兼財務大臣の発言でも明らかなように、ナチスの手口を学んで変えてしまえ、というなりふりかまわないやり方だ。
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現憲法は、軍国主義による侵略戦争への反省から、平和主義、民主主義、基本的人権の尊重を原則として、二度と戦争をおこさないと誓ったものである。憲法は、まちがった国策によって戦争をおこし、アジア諸国を侵賂し、多くの若者を戦地に追いやった経験をくり返さないためにある。部落解放運動は、この憲法を具体化する闘いでもあった。「人権侵害救済法」もまさに、そのための闘いのひとつである。
昨年4月に発表された「自民党憲法改正草案」は、国民主権といわれる民主主義を放棄し、個人としての尊厳を尊重するのではなく、「公益及び公の秩序」という社会的秩序を優先させるものである。そのために出されてきたのが、「特定秘密保護法案」である。「特定秘密」の範囲が広範で不明瞭であり、原発事故の情報や日米地位協定のような安全保障に関する事項など、政府に都合の悪い情報は知らせないというもので、行政機関職員にたいして、住所、国籍、同居人などを調査する適正評価もふくまれるなど、身元調査を公然と容認している。社会問題化しているヘイトスピーチもこうした動きが背景にあることは明らかだ。7日、京都でヘイトスピーチは人種差別との判決が出た。ヘイトスピーチの動きを、まずは運動のなかで止めていくことが重要だ。
われわれは、現憲法にある「天皇」の位置づけについて問題提起をしてきた。松本治一郎元委員長の「貴族あれば賤族あり」の精神を受け継ぎながら、天皇の政治利用には断固反対である。しかし、憲法が示している平和主義、民主主義、基本的人権の尊重という大原則を放棄し、戦前回帰の軍国主義、反人権主義的政治の復活を許してはならない。
憲法問題の学習を深め、部落解放・人権政策確立に向けて憲法改悪反対の闘いに全力をあげよう。
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