【滋賀支局】滋賀県不動産関係団体人権啓発推進連絡会議の発足集会と学習会を8月19日、野洲市コミュニティセンターきたのでひらき、76人が参加した。県では2004年の「同和地区問い合せ差別事件」を契機に06年には「県宅地建物取引業における人権問題に関する指針」を策定、県や宅地建物取引業者などの責務を定め、遵守を求めてきたが、10年には不動産会社従業員による差別発言があった。このことから同和問題をはじめとする人権問題の解決に向け不動産関係での人権啓発のいっそうの推進をはかるため、人権啓発推進連絡会議を設置。公益社団法人滋賀県宅地建設取引業協会や県、滋賀県連など9団体で構成している。
主催者代表あいさつで代表幹事の中田全一・県宅建協会会長は「同和地区問い合わせ事件発生のたびに再発防止に向け研修の強化、点検をおこなってきた。一方で「そっとしておいたらいい」という考えが根強くあるが、差別は生きている。発足を機に差別撤廃に向けた人権啓発のとりくみを発展させていく」とのべた。つづいて、中川俊寛・公益社団法人全日本不動産協会滋賀県本部本部長が発足までの経緯と趣旨、設置要綱などを説明した。
集会後の学習会では奥田均・近畿大学人権問題研究所教授が「土地差別の解消をめざし」をテーマに記念講演。奥田さんは「土地差別は身元調査と同じ構造であり、確実に部落差別そのものであるという認識を確立する必要がある。そのためにも宅建業法の改正が必要」とのべ、いまこそ不動産業界と行政・運動団体が協力し土地差別撤廃に向けとりくみをすすめていくことが重要、とまとめた。また閉会あいさつでは藤野政信・県連委員長が「業界・行政・運動団体の3者のとりくみによって人権確立社会の実現をめざしていこう」とよびかけた。
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