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部落問題資料室
NEWS & 主張

50年晴れないえん罪に憤り
中央共闘が要請行動で

「解放新聞」(2013.11.04-2641)

 部落解放中央共闘会議は10月16日午後、「狭山事件に関する東京高裁・東京高検要請行動」をおこなった。要請には中央共闘に加盟する中央単産から10人が参加。部落解放同盟からは西島財務委員長(中央共闘事務局次長)が参加した。高裁では加藤・刑事部訟廷管理官、高検では成塚・公判事務課長に要請した。
  高裁では、清水秀行・中央共闘事務局長が河合健司・裁判長あての要請文を担当官に手渡し、趣旨説明「石川一雄さんのえん罪が50年晴れないままにあることに憤りをもっている。裁判所からの証拠開示勧告に、検察は「不見当」を理由に開示しない。市民常識からいって納得がいかない。予断と偏見を排して真実に向かいあう姿勢をもって再審開始をしていただきたい」と要請した。
  西島事務局次長は「検察の証拠開示は、私たちが望む肝心な証拠が「不見当」。核心に触れる証拠が隠蔽されたままだ。全証拠開示でしっかりした審理ができるよう努力を」と求めた。
  西村智雄・連合連帯活動局長は「連合は組織をあげて人権問題にとりくんできた。その象徴が狭山事件。早期の全証拠開示、弁護団の証拠申請についての審理をしてほしい」と訴えた。
  加藤刑事部訟廷管理官は「要請はうけたまわりました。上司に伝える」とのべるにとどまった。  ・
  高検では▽多くの重要証拠が不開示で真実が解明されないまま。とくに、殺害現場とされる雑木林での血痕反応検査報告書が「不見当」と開示されておらず不信に思う。検察白身が殺害現場を雑木林だと裏付ける証拠がないということでもある。事件の核心であり、不見当ではすまされない問題だ▽多くのえん罪事件で市民の関心は高まっている。検察庁が正義と真実を追求する姿勢を明確にし、証拠の開示を、と重ねて要請。検察のあり方についても「検察検討会議」の提言をふまえ、3者協議に真撃に、誠実に対応していただきたい、と要請した。
  西島事務局次長は「検察白身が石川さんの「自白」にそった裏付けができているのか疑問。自白や証拠に矛盾が多すぎるのもこの事件の特徴だ。証拠開示は真実追求の立場からおこなってほしい」と。西村・連合連帯活動局長は「公平な裁判の立場からも証拠リストの開示を」と要請した。成塚・公判事務課長は「個人的な感想」とことわったうえで、「検察も変わってきていると思っている。要請の趣旨は伝える」とのべた。

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