【宮城】浄土宗による差別戒名物故者追善法要が10月17日、宮城県仙台市の愚鈍院で開催され各地から240人の僧侶が参加。豊岡鎗ホ・浄土宗宗務総長を導師に法要がいとなまれた。法要に先立って山北光彦・浄土宗人権同和室長のあいさつ、「東北の被差別部落」と題して和田中執が講演した。法要後には、組坂委員長が来賓を代表して謝辞をのべ、部落解放同盟からは栃木県連、兵庫県連の代表が参列、物故者の霊に焼香をおこなった。
山北人権同和室長は、「法要は、宗祖の教えにそむいて差別に加担してきた事実と向かい合い、あらゆる差別撤廃を誓う場としてとりくみをつづけてきたが、今年になって過去帳の閲覧問題がおきた。閲覧は身元調査につながるもので人権侵害をおこすもの。安易に閲覧できるものとの誤解を与えかねない。すべての教師にたいして研修の徹底をはかりたい」とあいさつした。
法要は、豊岡宗務総長が導師をつとめ厳粛にとりおこなわれた。あいさつした豊岡宗務総長は、差別戒名の取りあっかいについて、「書きかえ移転と供養塔建設が各一寺院ですすんでいる。壇信徒のみなさんの協力に感謝する。これからも(差別戒名の)完全改正にとりくんでいく」と進捗状況を説明した。
組坂委員長は、「法要がおごそかにとりおこなわれた。感謝したい。宗祖の教えにそむく残酷な差別戒名をつけた。そのうえに嘲笑のつばまで吐きかけられた先人が差別戒名をつけられた。江戸幕藩体制との癒着が差別(法)戒名をつけることになった。過去帳閲覧問題は遺憾。差別を惹起する。わたしたちも己の足元をみつめなおしながら頑張りたい。心からお礼を申しあげる」とのべた。
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