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部落問題資料室
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主張

 

部落内外の協働の取り組みで地域福祉運動を前進させよう!

「解放新聞」(2013.11.18-2643)

 現在、急速な少子化にともない、現役世代が高齢者を支える比率が低下している。1960年は高齢者一人にたいもて11.2人だったが、2010年には2.8人と減少。今後も、高齢化率は上昇し、2055年には、一人の高齢者にたいして1.3人が支える比率になる(2011年度版高齢社会白書から)。
  また、先の国会で廃案になった「生活困窮者自立支援法」と「生活保護制度の一部改正」については、この臨時国会であらためて提出される。「支援法」の内容や生活保護制度の一部改正についての問題点や課題を学習し、現在、生活保護を利用している人や利用しようとしている人にどのような影響があるのか具体的に議論していかなければならない。

  現在、不安定な就労実態にある非正規雇用労働者の増加や、年収200万円以下のワーキングプアが増加し、格差と貧困が広がっている。とくに、若い層の正規雇用の就職は厳しいものになっており、社会に受け皿がなく、いろいろな理由からホームレス生活をおくる女性や若者が増えてきている。政府は、こうした社会問題化している就労・雇用の実態の改善に向けて、充分な施策にとりくんでいないばかりか、一方で労働法制の改悪さえすすめようとしている。貧困や格差を解消し、ホームレスを生まない社会を創造していかなければならない。

 今日の生活・福祉にかかわる厳しい状況をふまえ、「自助」「共助」「公助」の理念を最大限に生かしたとりくみをすすめることが必要だ。これまで、人権のまちづくり運動を各地から創り出していくとりくみがされ、各都府県連でそれぞれ、特色をもった人権のまちづくり運動がすすめられてきた。国や自治体の福祉政策など一般施策を活用しているところや、他のNPOと連携した協働のとりくみをしているところ、自分たちで法人を立ち上げて事業を展開しているところなどがある。
  少子・高齢化時代をむかえた今日、高齢者や障害者、ひとり親家庭、子どもたちが地域のなかで安心して暮らしていけるまちづくり運動にとりくむことが重要だ。12月7、8日、福岡市内でひらく第21回中央福祉学校では、こうした課題を学習し、論議を深める。
  いまこそ、「自分たちのまちを自分たちで創造していく」ことが求められる。介護・福祉サービス、ヘルパー資格取得のとりくみなど、雇用創出や人材育成に向けた活動ともあわせて、一人ひとりの「生きがい」、「社会参画」を実現する支援施策の充実にとりくんでいこう。そのためにも、必要なサービスや自立支援の施策を行政に求める闘いを強化するとともに、「地域福祉計画」の具体化に向けて、社会的支援を必要とする人が排除されることのない地域福祉運動を、部落内外の協働の力でとりくまなければならない。

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