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部落問題資料室
NEWS & 主張

曹洞宗が宗派として
奈良県で法要営む

「解放新聞」(2013.11.18-2644)

 曹洞宗被差別戒名物故者諸精霊追善法要が11月13日午後、奈良県桜井市にある慶田寺でおこなわれた。法要では導師を佐々木孝一・曹洞宗宗務総長がつとめ、厳かに、しめやかに、心通うものとしてとりおこなわれた。そのあと、奈良県内の差別撤廃への課題と題して伊藤満・奈良県連書記長が講演をおこない、部落問題への認識を深めた。
  宗派としての法要は08年からのもの。1979年の世界宗教者平和会議での差別事件、糾弾を契機に、本山でとりくまれてきたものを、より深く、各寺院に根ざしたものにしようとおこなわれている。法要では、生きて差別をうけ、死しても差別戒名をつけられた諸精霊に心から懺悔し、問題を真摯にうけとめるなかから、差別戒名、差別墓石、過去帳の改正は現在ではいずれも95%以上となっていることも報告された。
  法要では、供養の言葉がのべられ、読経、焼香がおこなわれた。主催者を代表して佐々木宗務総長は、宗門としてとりくんできた経緯をのべ、この30年以上のとりくみのなかで部落差別は戸籍などの大量の不正入手、インターネット上での差別、土地差別など変化してきていることを指摘。宗門30年のとりくみを啓発から行動へと書きこんだ新たな冊子の活用をめざしたい。部落解放同盟と連帯しとりくむ、と語った。
  組坂委員長は来賓としてあいさつし、弱い立場の人間が互いに貶めあい、いがみ合う社会ができてきた、いまこそ宗教の出番とのべながら、部落差別をなくし人権確立の運動を、ともどもに努力を重ねていきたい、と決意をのべた。
  法要には曹洞宗から100人が、部落解放同盟からは組坂委員長、川口正志・奈良県連委員長をはじめ奈良から20人、奈宗連、兵庫県連、大阪府連の代表が出席した。

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