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部落問題資料室
NEWS & 主張

人権課題ふまえ人権社会めざそう
「差別と排除を超えて」をテーマに研究集会

「解放新聞」(2013.12.02-2645)

 【奈良支局】第40回奈良県人権・部落解放研究集会を9月29日、五條市でひらき、900人が参加。「さまよう社会を生きるー差別と排除を越えて」をテーマに、記念講演と4分科会、五條市内フィールドワークなどをとおして、差別と排除を克服しようと論議を重ねた。

「救済法」の必要性も
  全体会では、川口正志・実行委員長が「国内の人権法制度の確立や施策の実施は、国連人権委貝会からの勧告を履行しない政府に課題が多い。人権侵害救済法の必要性を地方から発信していこう」と訴えた。つづいて開催地の太田好紀・五條市長があいさつした。
  基調提案は、寺澤亮一・実行委員会事務局長が、社会の階層化がすすみ、経済的困窮と社会的孤立状態に陥る人が増加し、社会が不安定化するなか、ヘイトスピーチの横行、個人情報の不正取得、障害者差別、沖縄県に基地負担を強いる沖縄差別や放射能被害に苦しむフクシマ差別、災害弱者など、国内の人権課題をふまえ、差別と排除を越えて、人権社会をめざそうと提起した。

日本社会の問題
  記念講演は、「外国人特派員から見える現在の日本社会」と題してイギリス・インディペンデント紙記者のディヴィッド・マクニールさんが講演。マクニールさんは、日本は経済後退、人口減少、自信喪失の状況にあるとし、右傾化する政治や社会状況にたいして海外移民のうけ入れと、結婚・出産で退職する女性の能力活用を提起した。人権問題では、外国人の入居差別が各地であることを紹介するとともに、社会や行政機関が人種によって考え方や対応が異なるとのべ、とくに在日韓国・朝鮮人らへのヘイトスピーチを規制する動きを見せない安倍政権にたいして疑問を呈し、最後に政府が重要な問題について情報公開せず、人びとに議論させないでいることを一番懸念していると話した。


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