農林水産省との交渉を2月5日午後、省内でおこない、農林漁業運動部の片岡部長、原、伊藤の両副部長をはじめ、各地から19人が参加した。TPP(環太平洋経済連携協定)の影響-食肉センターなど畜産・食肉産業も壊滅的被害が懸念される-を追及するとともに、各地の個別の要望への回答もふくめ、経営規模の零細な地域の経営体を支援する「経営体育成支援事業」の活用、鳥獣害対策などについて意見交換した。
TPPについて、省は「衆・参両院の農林水産委員会の決議をふまえ、重要5品目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)などの聖域確保に向けて交渉に全力をあげている。関税撤廃を前提とした国内対策の議論は時期尚早」と強調。また、「農業従事者の減少、高齢化、耕作放棄地の増大などが進展するなか、国内農業の強化と農村の活性化をはかることは、TPP交渉いかんにかかわらず待ったなしの課題」と語り、昨年12月にまとめた「農林水産業・地域の活力創造プラン」を報告し、「食料・農業・農村基本法」の新たな基本計画を来年3月頃に作成予定、など回答した。
同時に省は、国内の畜産・食肉産業の活性化も「TPP交渉いかんにかかわらず待ったなしのきわめて重要な課題。生産基盤を維持・強化する必要がある」と強調。14年度の畜産物価格関連対策を報告した。
昨年3月公表の「関税撤廃した場合の経済効果についての政府統一試算」については省は「すべての関税を即時撤廃し、なんらの追加的対策を講じないという、きわめて単純化した仮定での試算」と強調し、TPP交渉参加11か国に関税を撤廃すると▽農林水産物は3兆円程度生産減少▽生産減少額は牛肉は約3600億円、豚肉は約4600億円と試算(牛肉は肉質3等級以下の9割が外国産におきかわる、豚肉は国産銘柄豚肉以外が外国産におきかわると想定して試算)、と報告。「こうした事態にならないよう交渉に全力をあげている」と語った。
農業経営の改善に必要な農業用機械などの整備を支援する「経営体育成支援事業」をめぐっては、歴史的に経営規模の零細な農家が多い部落の実態をふまえ、同事業の「条件不利地域型」の積極的活用に向けて省の考え方を聞き、意見交換。「条件不利地域型」の事業が「同和地区のためだけの事業ではないが、同和地区の農家が活用できるように工夫した事業」であることを確認した。
省からは経営局、生産局などから16人が出席した。
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