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部落問題資料室
NEWS & 主張

水平社創立大会宣言を
世界記憶遺産に登録求める

「解放新聞」(2014.04.07-2661)
 「水平社宣言」のユネスコ世界記憶遺産登録を実現しようと3月25日午後、東京・松本治一郎記念会館で「めざす会」を設立し、役員などを決めた。同日、文部科学省内の日本ユネスコ国内委員会へ要請行動に訪れ、ユネスコ本部での審議に向けた今後の作業の流れを聞くなど意見交換。夕方には、松本治一郎記念会館で記者会見をひらいた。
  正式名称は、「全国水平社創立宣言と関係資料」のユネスコ世界記憶遺産登録をめざす会。代表には、武者小路公秀・反差別国際運動日本委員会理事長が就任。部落解放同盟の組坂委員長は副代表、西島書記長は副事務局長に就任した。
  記者会見で、武者小路代表は、部落民の日常の生業や、被差別マイノリティを救済する民衆的世界を希求した仏教思想、人間中心の人道主義を基本とするヨーロッパ圏の歴史的伝統など、さまざまな影響のもとに生まれた。「水平社宣言の独自性と普遍性、メッセージ性を強調。「水平社宣言」の精神は、世界のマイノリティが連携・連帯する反差別国際運動の支えでもあると説き、登録する意義を訴えた。組坂委員長も、「部落解放運動、同和教育運動の原点であり、世界のマイノリティに大きな影響、希望を与えた面がある」と強調し「明確に人権や平和問題に寄与する」と登録への協力をよびかけた。
  登録をめざすのは、全国水平社創立大会(1922年3月3日)で採択された「全国水平社創立大会 綱領 宣言 則 決議」の実物など、15点。奈良人権文化財団が運営する水平社博物館(奈良)と崇仁自治連合会が運営する柳原銀行記念資料館(京都)に保管・展示されている。
  めざす会の会員は、奈良人権文化財団、水平社博物館、崇仁自治連合会、柳原銀行記念資料館、部落解放同盟中央本部、反差別国際運動日本委員会、部落解放・人権研究所、福岡県人権研究所、大阪人権博物館の9団体(順不同、設立時)。
  世界記憶遺産は、ユネスコが主催するもの。これまでにフランス人権宣言やゲーテ直筆の文学作品、「アンネの日記」など301点が登録されている。日本からも、山本作兵衛さんの炭坑画(2550・2551、2552、2553号参照)などが登録されている。
  ユネスコ本部(フランス・パリ)での審議は2年に1回。「水平社宣言」関係は2015年の登録に向け、すでに申請書類を郵送済み。申請には1国2件という枠がある。今回、日本からは4件の申請が出ているため、今後、その4件は日本ユネスコ国内委員会で2件以内に絞り込まれる。

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