原点に戻ることが重要ー過去帳開示問題と宗教教団のとりくみ
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1979年に米国・プリンストンでひらかれた第3回世界宗教者平和会議での差別発言にたいする糾弾会のとりくみを契機に、宗教教団(者)によって部落差別撤廃に向けて結成されたのが、『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議(同宗連)である。同宗連は、教義や教団の成り立ちなどの違いをのりこえ、それぞれの教団の主体性を尊重しながら、それまでの各教団の部落問題へのとりくみの弱さを反省し、部落問題解決に果たす宗教教団(者)の役割を自覚し、行動することで、宗教界そのものにも大きな影響を与えてきた。
1981年の同宗連の結成後も、それぞれの教団では差別事件が起こり、あらためて差別体質の克服や同和・人権研修体制の充実などがすすめられてきた。また、とりくみのなかでは、教団の主体性を尊重しながらも、部落差別撤廃に向けた宗教教団や宗教者としてのありようをきびしく指摘してきた。とくに、仏教教団にたいしては、差別戒名(法名)や過去帳問題について、まさに宗教教団(者)として許されないことを確認し、さらに、それぞれの宗祖の教えに反するものとして、その反省にたったとりくみを求めてきた。
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差別戒名(法名)や過去帳のなかの差別記載については、今日でも、各教団とも積極的に改正作業にとりくんでおり、一方で過去帳の閲覧禁止措置も取られてきた。3
部落差別撤廃に向けて宗教教団(者)が果たす役割にたいするわれわれの期待は大きい。それは、多くの宗教教団(者)が、現代より深刻化している格差社会のなかで、平和や平等・人権という本来の人間としてのありよう、人間としての解放をめざしているところにある。「解放新聞」購読の申し込み先
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