人権と平和、民主主義にの危機に抗し、安倍政権による憲法破壊を断固阻止しよう
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集団的自衛権行使の容認に向けた自民党、公明党による与党協議では、政府案に公明党が難色を示し、安倍政権が当初目標としていた国会開会中の閣議決定はできなかった。しかし、6月22日の国会閉会以降も与党協議は継続され、国会での十分な論議もなく、密室協議のなかで、安倍政権による集団的自衛権行使容認の解釈改憲が閣議決定として強行された。
与党協議で公明党が強く反発したのは、政府・自民党案に国連決議にもとづく集団安全保障への参加を明示したからだ。国連決議で多国籍軍などが編成された場合、日本の自衛隊もこれに参加し、武力行使できるというものだ。政府・自民党は、閣議決定を優先させる意向から、集団安全保障については言及しないこととしたが、海外での武力行使拡大が狙いであることは明白だ。その後の修正案でも、「他国」から「わが国と密接な関係がある他国」、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること」とあるのを「明白な危険があること」に変更しているが、「明白な危険」については、そのときどきの政権が判断するという。しかも、「自衛の措置としての武力行使は認められる」として、これまでの憲法解釈を変更する、まさしく実質的な憲法改悪であり、人権と平和、民主主義の危機である。絶対に認めることはできない。
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「早く結婚した方がいいんじゃないか」「子どもを産めないのか」-東京都議会で問題になった女性差別発言である。一部の発言については自民党都議がようやく認め、謝罪した。また、除染廃棄物保管のための中間貯蔵施設建設地をめぐって、石原伸晃・環境大臣は、「最後は金目でしょ」と発言し、福島県や地元の自治体に謝罪した。さらに、麻生太郎・副総理兼財務大臣は、集団的自衛権行使の論議を、小学校でのいじめを例に、いじめられる条件を無批判にあげる問題発言で批判されている。まさに、安倍政権のもとですすめられる反人権主義の政治が生み出す、差別発言、問題発言の連続である。われわれは、こうした一連の差別発言、問題発言にたいして厳しく抗議する。3
今日、反人権主義、差別排外主義のもとですすめられているのが、安倍政権による憲法改悪策動である。4月には、政府は武器輸出を基本的に禁止する「武器輸出3原則」を撤廃し、武器や関連技術の輸出を事実上解禁する「防衛装備移転3原則」を閣議決定している。これは、日本の武器を世界に売り込むために、憲法9条にある「戦争の放棄」という平和主義の理念を投げ捨てるものであり、多くの批判があるにもかかわらず、「閣議決定」という安倍政権の恣意的な判断による暴挙である。「解放新聞」購読の申し込み先
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