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部落問題資料室
NEWS & 主張

「部落地名総鑑」事件風化許さず
「差別まねき助長」との認識共有し
厚労省交渉で

「解放新聞」(2014.08.04-2677)
 労働関係の厚生労働省交渉を7月23日午後、省内でもった。省の就職差別撤廃のとりくみの原点――来年が発覚40年目の「部落地名総鑑」事件を風化させず、省の基本的考え方をあらためて示すこと(①)、公正採用選考人権啓発推進員の設置基準改定など企業啓発の充実方策(②)、戸籍等不正取得事件で処分された行政書士がその後も社会保険労務士として活動している問題(③)、ハローワークの情報漏洩事件の真相解明(④)、を中心に意見交換した。
  ①では、「部落地名総鑑」の所持・配布自体は「人権侵害にならない」と広島法務局幹部が研修会で人権擁護委員に説いたきわめて悪質な差別事件と、以降の関係機関の混乱や触発されたネット上の流言の氾濫を訴え、省の基本的な考え方を示すよう要求。省は「(部落地名総鑑は)さまざまな差別をまねく、また助長するひじょうに悪質な冊子であり、配布・所持すること自体に大きな問題がある」とのべ、当時の大臣談話と同じ認識だと強調し、とりくみの検討を約束した。
  ②では、事業所数最多の東京都が、昨年4月から設置基準を50人以上に改定したことも指摘し、全国的にも現在の100人以上から50人以上に改定するよう要求。「名ばかり推進員」をチェックするシステムの確立や、さまざまな許認可権をもつ諸機関と連携しての事業所への働きかけも強く訴えた。省は100人以下の事業所もふくめた推進員設置状況の全国的な実能括握や、企業のトップの研修会参加推進に向けた方策などの検討を約束した。
  ③で、省は▽全国社会保険労務士連合会は、職務上請求書の不正使用を会則に違反する信用失墜行為禁止に該当すると整理、会則違反が認められた場合、各都道府県社会保険労務士会会長が会員権停止もふくめて処分できる▽禁固以上に処せられた場合は自動的に登録抹消▽他の士業で不正使用が認められた場合、その人には職務上請求書は販売されていない、と報告した。
  ④では▽2月に名古屋地検で関連書類を閲覧。個人情報関係の部分はマスキングされ、どんな情報を誰に漏洩したか、どんな目的に利用されたかの記述はなく調査は困難▽アクセス権限の限定、アクセス記録のチェック、研修強化など再発防止を徹底したい▽漏洩情報はカタカナ氏名、生年月日、性別、雇用保険加入履歴、などと回答した。
  交渉には、中央労働政策運動部の原部長、村井、政平の両副部長をはじめ運動部員、山崎、安田の両中執など、15都府県連から28人が参加。厚労省からは、職業安定局就労支援室長をはじめ、12人が出席した。

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