先人の闘いに学びながら部落解放運動を前進させよう
部落解放研究第48回全国集会(第28回人権啓発京都府集会もかねる)を10月20~22日、京都市内の「みやこめっせ」でひらき、38都道府県5509人が参加した。今回のテーマは「深まる人権と平和、民主主義の危機に抗して、差別・貧困の克服と社会連帯の実現にむけた理論と実践交流をすすめ、今日的な部落解放運動の課題を明らかにしよう」。1日目の全体集会では、日本社会全体の今日的な危機をあらわす「ヘイトスピーチ」の問題でシンポジウムをもち、現状と差別禁止法などを求める運動の方向を論議した。また京都の部落解放運動の軌跡と今後の課題も報告された。2日目は7分科会とフィールドワークを、3日目はLGBTの人権課題、部落の伝統と芸能についての記念講演がおこなわれた。全国研究集会では、論議された中身、課題などを共有しながら実践を積み重ね、来年の大分全研(15年10月~12日)に持ち寄ることを誓い合った。
1日目のシンポジウムでは、京都、奈良での在特会による差別街宣や襲撃の経過とその後のとりくみ、課題などを示したあと、人を死に追いやる暴力であるヘイトスピーチにたいしてどうとりくむか、などの方向性が示された。構造的差別のなかで、民主主義は破壊され、差別は当然だなどという関係が醸成され、いきつくところはジェノサイドとの指摘もされ、「人種差別撤廃条約」のもとでの差別禁止法の制定、人権救済機関の設置などとともに、多文化共生の横のつながりを作ることの重要性も示された。
1日目は特別報告として京都の解放運動の軌跡と今後の課題を平井斉己・京都府連書記長が、竹田の子守唄の元唄が京都府連改進支部女性部のコーラスであざやかによみがえった。
3日目は、LGBTの人権課題を南和行・弁護士が、部落の伝統と芸能を山路興造・芸能史研究会代表委員がおこなった。
1日目の全体集会で組坂繁之・中央実行委員会委員長は、水平社宣言の意義を語りながら、これを世界記憶遺産にしていこう、先人の闘いに学びながら部落解放運動を前進させよう、とよびかけた。
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