近代思想から「戦争」をとらえなおす
夜の鼓動にふれる
西谷 修 著 ちくま学芸文庫 定価1200円
「戦争をする国づくりを許さない」
「殺さない 殺されない」。
叫びの熱が列島をかけめぐった敗戦から70年の秋。政府・与党が戦争法案の強行採決をおこなったいま、撤廃に向けた力の再結集への機運が高まっている。これまでの闘いや政府・与党の国民無視の暴走ともよべる行為からみえてきたこと、それは民主主義や国民主権とよばれる思想が私たちの生活の場で本当の意味で身体化されていなかった、その機会さえも奪われていたのではないか、ということだった。
本書は20年前に刊行された講義録の文庫化にあたって「二〇年目の補講-「テロとの戦争について」」があらたに付けくわえられた。西欧哲学を切り口に戦争、テロリズム、沖縄や福島などをテーマにした著書もある西谷が補講で綴るのは「テロリスト」との「戦争」によって生み出される二つの「敗者」。それは戦場で犠牲になる人びとと「戦争」をしかける側の国の市民。すでに権利侵害、情報統制が当たり前の社会に突入しているとのべ、警鐘を鳴らす。
安倍首相がくり返した「生活と命を守る」ため、と称して防衛省は自衛隊の武器使用のあらたな基準の見直しに着手。来年3月までに施行される。 (伊)
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