解放新聞広島版を見ていて主張に目がいった。筆者は4月に余命1、2か月と宣告をうけたという。悪性リンパ腫という血液のがんだ。主張のタイトルは「仲間へ」
▼青年時代から45年間、部落解放運動にとりくんできた。運動に参画できたことは至高の喜び、と語る。そして、具体的にその中身が書かれる
▼多くの人との出会いがあり、感動がある/その感動をみずからのエネルギーに転換し胸を張って正義や真実、自己の生きざまを語れる/差別によって社会的に苦しんでいる人びとと生きていることの意味、生きる術を語り、ともに励ましながら歩める/人に優しくなれる/相手の立場で物事を考える視点をもつことができる/自分自身が主体的に生きられるようになる
▼そのうえで、部落解放運動はすぼらしいと讃歌を贈る。たしかに共感できる。人生は長いようで短い、と仲間や活動家にあてた遺言がこれだという
▼法然や親鸞、一遍などが仏教思想の極致として示したのが南無阿弥陀仏だ。それと同じように解放運動の究極がこの6点ではないのか
▼同じ紙面で小森龍邦元書記長が部落解放運動が私の哲学的認識を深めてくれたとのべている。そして訪ソしたとき、この団体がしっかりしていれば日本も変わるのだが、といわれたことも書いている
▼私たちが胸を張り、運動をやり抜き、社会を変えることがやはり重要なのだ。願わくば、医師の宣告が誤りであることを祈りたい。
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