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コラム

荊冠旗 第2719号/15.06.15

 11桁の自分の住基番号を覚えている人がどれほどいるだろうか。多分いないだろう。ほとんど閉ざされた用途で、住基カードの発行も5.2%にとどまっているのが現状だ。番号通知書は、即ゴミ箱行きというのがほとんどだろう
▼今年10月に施行される「マイナンバー法」による12桁の番号付与がもうじきはじまる。法人には13桁の番号が与えられる。これらは来年1月から利用開始となる。民主党政権下では社会保障や税徴収の公平性を保つため、という名目が法制定の根拠だった。しかし、廃案になった法を安倍政権が民間利用も企て、法が成立した
▼「ひとたび制度ができてしまうと、それが自然増殖していく」と反対運動にとりくんできた白石孝の言葉どおり、この制度の「活用」が構想されている。自販機やポイントカード、免許証などとも一体化を図り、「身分証明書」として全員に個人カードの所持が義務化されるときが描かれる。生体認証をカードに埋め込むことまで画策されている
▼年金機構が125万人分、米政府人事局では400万人分の情報がハッカーにより盗まれた。個人カードを持たされる米韓ではなりすまし被害が横行している。個人情報は必ず盗まれるものなのだ
▼だが政府は何がなんでもこの政策をおしすすめる。それは原発推進が核兵器製造の意図をもつのと同様、この政策が個人の徹底管理・支配をめざしているからにはかならないからだ。

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