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政治の変革をかちとるため統一自治体選挙の勝利に向けて全力をあげよう

「解放新聞」(2015.01.19-2699)

 本年は統一自治体選挙がおこなわれる年である。4年前の統一自治体選挙は、第1次安倍政権が「愛国心」を強要する「教育基本法」改悪、防衛庁の省昇格など、まさに現在と同様、「戦争のできる国」づくりに向けて、憲法改悪に踏み込もうとしていた時期であった。
  そうした危機的な政治情況は、今日、よりいっそう深まっている。昨年末の衆議院総選挙では、われわれは推薦候補の必勝に向けてとりくみをすすめてきたが、自民党はほぼ解散前の議席を維持し、政治情況を大きく変革することはできなかった。あらたに発足した第3次安倍政権は、いよいよ憲法改悪策動を本格化させようとしている。とくに、強い反対運動があったにもかかわらず強行した集団的自衛権行使容認の閣議決定にもとづいて、「安保関連法制」の改定をすすめようとしている。しかも、昨年の臨時国会では、関連法案を提案せずに、通常国会に先送りした。しかし、
日米両政府はすでに昨年には、外務・防衛局長級協議(防衛協力小委員会)で、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)見直しの中間報告をまとめている。この中間報告では、日米防衛協力の地理的制約である「周辺事態」を削除し、世界中で米軍を支援することを明記しているのだ。

 このように、安倍政権のもとで、世界各地で米軍支援のために自衛隊が派兵されることになる。すでに安倍政権による憲法破壊がすすんでいる。統一自治体選挙では、人権・平和の課題をとりあげ、憲法改悪反対、戦争への道を許さない訴えを強めていこう。
  さらに、安倍政権は経済再生を最優先させていくとしているが、14年度補正予算では緊急経済対策を名目にして、沖縄に駐留する米海兵隊のグアム移転費、輸送ヘリの改修など、防衛費が倍増している。いっぽう、来年度予算に関する要請で上京した沖縄県の翁長知事にたいして、政府や自民党は面会もせず、沖縄の民意を無視した露骨な対応に終始した。「地方創生」などといいながら、安倍政権は沖縄振興費を削減し、あくまでも「戦後レジーム(体制)」からの脱却という、戦前回帰の反人権主義、国権主義の政治をおしすすめようとしている。
  こうした政治情況の変革をめざした衆議院総選挙では、大きな成果があげられなかったが、統一自治体選挙では、人権、平和、民主主義の確立に向けた政治の復権に向けて、組織内候補の必勝をかちとろう。とくに、統一自治体選挙前半は、都府県議会、政令市議会選挙が実施される。奈良県、大阪府、京都府、和歌山県、兵庫県、広島県、福岡県や大阪市、福岡市などでの組織内候補の当選に全力をあげよう。


 部落解放運動の前進にとって、自治体議員の役割はますます重要になっている。人権や平和の課題を地域のなかで実現するためには、われわれの活動と自治体議員のとりくみを結合させていくことが重要だ。
  この間の部落解放・人権政策確立に向けた闘いでは、全国の地方議会で人権侵害救済制度の確立を求める決議(意見書)が採択され、廃案になったものの「人権委員会設置法案」実現への広範な運動に大きく貢献した。また、戸籍等大量不正取得の防止策としてとりくんできた本人通知制度の導入にあたっても、自治体議員の役割は大きい。さらに、この間、社会問題化してきたヘイトスピーチ規制に向けた議会決議(意見書)も、多くの自治体議員のとりくみで、奈良県、福岡県、長野県、鳥取県をはじめ、各地の市区町村議会で採択されている。
  人権や平和の課題をはじめ、いのちと生活を守る闘いの課題などの身近な要求を集約し、実現していくために、組織内議員の必勝に向けて統一自治体選挙のとりくみに全力をあげよう。


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