【大阪支局】部落解放運動の発展のなかで設立された16の社会福祉法人で構成する「つばめ会」(山本義彦・代表)が主催した「つばめ会福祉研究集会」が2月28日、大阪市中央区の大阪府立労働センターでひらかれ130人が参加。「社会福祉法人の未来像―人権・福祉のまちづくりを考える」をメインテーマに、講演会と分科会で学習、意見交換・交流などを深めた。
つばめ会は、2012年に部落を拠点に「福祉と人権のまちづくり」に貢献する社会福祉法人が集まって設立。この間、法人トップも出席した会議をはじめ勉強会や情報交換、各法人が運営する施設などの見学会などをおこなってきた。これらの活動をとおして、各法人のスタッフも一堂に会した学習や経験交流をしようと、今回、初めての研究集会となった。
主催者あいさつで山本代表は「全国水平社が創立される2年前、奈良・相原の被差別部落の青年たちが集まり、厳しい部落差別をなくし、自由に飛び立っていこうと燕会をつくったことにちなんで「つばめ会」と名付けた」と話し、「つばめ会に集まる法人は、社会的弱者への支援を利害対立させるのではなく、人が人として生きる尊厳と権利を擁護し、だれもが安心して生活できる地域づくりをめざしている。各法人が実践していることを交流し合い、学習し合いながら、さらに福祉と人権のまちづくりをすすめていこう」と訴えた。
記念講演は、「社会福祉法人の未来像を考える―人権と福祉の見地から」と題して社会福祉法人済生会理事長の炭谷茂さんが、「いまこそ、社会福祉の真の力を発揮すべきである」とのべ、「社会福祉の概念が社会、経済状況などによって変化してきていることを見すえつつ、人権の視点を尊重し、地域全体、広がりをもったとりくみをすすめていくことが大切」と講演した。
講演後、「障がい福祉の広場」「高齢福祉の広場」「福祉と人権のまちづくり」のテーマにわかれて分科会をもち、各法人の実践報告をもとに意見交流をおこなった。
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