日本労働組合総連合会(連合)は6月29日夜、「人権フォーラム2015」を東京・全電通労働会館でひらき、300人が参加した。今回のフォーラムでは「狭山事件に象徴されるえん罪と今後の対応」と掲げたシンポジウムもおこなわれ、石川一雄さん夫妻と金聖雄・監督が発言、山根木晴久・連合総合組織局長を進行役に再審への支援を訴えた。拉致問題の講演2本もおこなわれた。
とりくみの前段として、同日午後、連合は、東京・上野のファッションビル「上野マルイ」前に街宣車をとめ、ビラ配布など街宣行動を展開。石川一雄さんもマイクを握り、訴えた。
主催者あいさつで、連合の神津里季生・事務局長は、拉致問題の現状を訴えるとともに、狭山事件について「事件発生から52年。昨年の毎日映画コンクールの受賞を契機に一日も早い再審開始につながることを願ってやまない。ひき続き、連携を深めながらさらにとりくみを強化したい」と決意表明。「問題はけっして他人事ではない。ぜひこの場を通じて思いを共有し、持ち帰り、伝えていただきたい」と訴えた。連合として2回目の採用選考に関するアンケート調査にとりくむ決意も語った。
シンポジウムでは、冒頭に映画「SAYAMA みえない手錠をはずすまで」の予告編を上映し、映画関連の話を皮切りに石川一雄さん、石川早智子さんと金監督が報告。石川一雄さんは、この間の証拠開示の成果や、同日づけでの担当裁判長交代、刑務所での文字習得経過などを語り、「裁判がはじまれば、かならず無罪になります。ぜひともお力添えを」と訴えた。金監督は、毎日映画コンクールでドキュメンタリー映画賞を受賞した授賞式をふり返り、「2、300人の前で100人ぐらいの報道陣に囲まれ、石川さん、早智子さんと光の絨毯を歩いた。それはだれも石川さんを殺人者だと思っていない証であり、ひじょうにうれしかった」と語った。
まとめで、連合の小川裕康・副事務局長は、「拉致とえん罪、どちらのテーマも日本が抱える深刻な問題。存在を知り、真実、背景を理解し、幅広く共有化することが大切だ。人権は社会生活の基本。連合は人権侵害廃絶と救済制度確立、就職差別を許さない社会づくりにとりくんできたが、人権侵害事件はあとをたたない。ひきつづき、あらゆる人が安心して住める、人権が守られる国をめざしてとりくむ。各課題の現状を再認識し、各組織に持ち帰り、構成組織、地方連合会、本部が認識を共有化し一体となった運動を展開し具体的解決につなげよう」と語った。
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