【徳島】県連女性部をはじめ、ともに闘う仲間と2013年9月に発足した「DV被害女性の家族を支えるネットワーク」の、DVとそれにともなう、うつ病を発症し自死にいたったSさんと残された家族を支える活動が多くの人の共感をよんでいる。奈良地方裁判所葛城支部で6月30日午後にひらかれた第1回口頭弁論には、徳島と奈良など近畿の仲間30人がかけつけ、傍聴・報告集会にとりくんだ。
裁判では徳島に住むSさんの母親・Mさんと、Sさんの友人の0さん、奈良に暮らすSさんの夫とその両親が口頭弁論にのぞみ、Sさんが発症したうつ病と夫からのDVの関係性、DVの有無、Sさんが自死にいたった原因などを争点の中心に証言台にたった。Sさんの友人はDV被害をSさんから告白された場面をたどり、「死ねないかもしれないけど、死んでもいいと思った」というSさんの心の叫びや生前の姿を言葉を詰まらせながら語った。Mさんも、離れて暮らす一人娘のSさんをなくした喪失感や苦しみをにじませながら「なぜ自死をしなければならなかったのか」と夫とその家族に問いかけた。
報告集会では弁護人が裁判の説明と今後の見通しを報告。Mさん、0さんに続き、参加者もつぎつぎにマイクを握り、思いを語った。参加者は▽人間としての尊厳が奪われたSさん。残されたMさんの悲しみや苦しみに寄り添ってしっかり支えていこう▽夫やその両親からDVの有無が少しずつ鮮明になってきた▽夫や両親の語り口が人ごとのようで悲しくなった。裁判のなかでSさんに向きあってほしい、とそれぞれ語った。最後に母親のMさんはこの裁判を「つぎの被害者、残される家族をつくらないという決意をもって闘いたい」といっそうの支援を訴えた。
裁判所は、継続審議にはいることを決めた。ネットワークは今後もSさん・Mさんの裁判を支える闘いを続けていく。
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