「水平社宣言」を世界記憶遺産に
「平和と人権の21世紀を創造し、部落解放を展望する新たな理論を築こう」と部落解放第47回東日本研究集会を7月2、3日、群馬県みなかみ町でひらき、800人が参加した。シンポジウム「全国水平社創立宣言の世界記憶遺産の登録にむけて」などをおこない、6つの分科会で論議した。
特別アピールでは、11月に初めて長野市でひらく、全国人権・同和教育研究大会について、長野県同和教育推進協議会の江村智晴・会長が支援と協力を訴えた。
シンポジウムでは、大阪人権博物館(リバティおおさか)の朝治武・館長が、全国水平社創立宣言の背景にロシア革命などの国際的な動きと大正デモクラシーがあると語り、思想的背景に融和主義批判と西洋ヒューマニズムがあり、自由と平等を基調とした人間主義があるが、ジェンダー意識の欠如や天皇制認識に不統一があった、と報告。昭和女子大学の大串夏身・特任教授は、関東水平社の動きを中心に報告し、敬和大学人文学部の藤野豊・教授は、全国水平社が、1923年の植民地下での衡平社結成や、1926年のアイヌ民族の解放組織解平社と沖縄青年同盟の結成、1933年のハンセン病患者組織の日本プロレタリア癩者解放同盟結成につながったと影響力を評価した。
主催者あいさつで、片岡明幸・関東ブロック議長は、狭山再審と「同対審」答申50年のとりくみを強調。身元調査や土地差別など各地で部落差別事件がおきている現実を語った。
石川一雄さんは、早智子さんとともに登壇し「裁判長が先月29日付で異動した。新しい裁判長のもとで審理をつくすことになる。なおいっそうの支援を」と訴えた。
群馬県からは、角田澄江・生活文化スポーツ部人権男女・多文化共生課長と、地元の岸義昌・みなかみ町長が祝辞をのべた。
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