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NEWS & 主張

福島県の被災者に差別と偏見を植え付ける行為
加須市の差別事件で指摘

「解放新聞」(2015.09.07-2729)
 【埼玉支局】地元の男性が4本指をだして「部落の人が使う施設だ」と発言した。今年3月末に加須市内でおきた差別事件の話し合いが7月16日、加須市田ヶ谷総合センターでおこなわれ、加須市の大橋良一・市長が「今回の差別事件を教訓にして、今後さらに人権教育や啓発活動をすすめていきたい」と決意を表明した。
  事件は、3月28日に、福島の被災者へのボランティア活動のなかでおきたもの。地元の男性A(64歳)が、福島県の男性に隣保館について説明したさいに、4本指をだして「部落の人が使う施設だ」と発言した。その場にいた人がまずい発言だと気がつき、「差別をうけている人が寄り添う施設です」と、それ以上話がひろがらないように発言をおさえ込んだ。その後、市の人権推進課に報告され、県連がAとのあいだで事実確認をおこなった。事実確認会でAも発言を認めて反省を示したため、この日の話し合いとなった。
  市は、「重大な問題と重く受け止めている」としたうえで「再びこのような差別事件や差別行為がおきないよう、有効かつ効果的な教育啓発にとりくんでいきたい」と見解文を提出した。
  話し合いでは、男性が以前PTAの会長をしていたことから、学校での同和教育のあり方が問題になり、県連の参加者はPTAの研修やあり方をただした。
  県連の片岡明幸・委員長は、「今回の事件では同席者が発言を制止したから、まだ救われた」とのべたうえで「原発事故から避難している福島の被災者に部落差別と偏見を植え付ける行為だ」と指摘した。最後に大橋市長が「県連のみなさんとともに、同和問題の解決に努力していきたい」と決意を表明した。

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