浄土真宗本願寺派の石上智康・総長と中央本部との意見交換の場を9月29日午前、京都市・西本願寺でもち、差別解消に向けた教団のとりくみをめぐって話しあいをおこなった。
冒頭、組坂委員長は「浄土真宗本願寺派の部落問題にたいする理解、とりくみがすすんできた一方、残念ながら布教使による差別発言事件などがおきている。率直な意見をだしあい、課題を明確にしながら、たがいに学びあう場にしたい」とあいさつ。
西島書記長が教団でおきた2件の差別発言事件にふれながら、機構改革にともなう窓口の縮小化や、研修会への参加率の低さなどの問題点を指摘。実効性のともなう体制の強化とともに、「差別の実態から学ぶことを(とりくみの)柱にいれてもらいたい」と要望した。また、赤井書記次長が布教使の意識調査をおこない、課題をひきだしたうえでとりくみをすすめることが必要、と具体的なとりくみを捏起した。
石上総長は「愚直に積み重ねていくしかない。原点にかえって実践していける人をつくるエンドレスのとりくみが基本」と強調したうえで、教団の「御同朋の社会をめざす運動(実践運動)」にそって「学びとして現場の業務を改善していきたい」ととりくむ姿勢を示した。また、各教区と都府県連との意見交換などのとりくみ状況が報告された。
部落解放同盟からは、組坂委員長、西島書記長、片岡財務委員長、吉岡・赤井両書記次長など7人、浄土真宗本願寺派から石上総長、藤野尭文・総務など6人が出席した。
差別事件の概要
2013年10月9、10日に国府別院(新潟県上越市)でひらかれた布教使研修会の質疑で、参加者が遺骨の移動について質問したさい「オンボウ(隠亡)」発言をして、講師から「不適切な発言」と指摘された。その後、教団の確認委員会で発言の背景を確かめ、部落差別意識にもとづく差別発言だったことを確認。発言者は4回の学習会で親鸞聖人の教えに反していたとみずからを糾した。
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