『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議(議長・角本尚雄(天台宗))は10月28、29日、第30回狭山現地調査学習会をおこない、40人が参加した。1日目は、ビデオ学習、講演、石川一雄さん・早智子さんの訴えと分散会討議。2日目は映画「造花の判決」鑑賞後に「自白コース」を歩き、自白の矛盾を学習。狭山事件の背景にある部落差別と、52年間無実を訴える石川さんの再審へのとりくみを確認した。
終了後、代表が東京高検と東京高裁を訪れ、要請行動をおこなった。
議長教団を代表し、松岡順海・事務局長は、「同宗連は、毎年この時期に現地学習会で学びを深めてきた。今年で30回目。同宗連のとりくみの柱でもある。部落差別にもとづくえん罪事件だ」とあいさつ。
講演は、埼玉県連の小野寺一規・書記長の「狭山第3次再審をめぐる現状と課題」、証拠開示の重要性を強調し、とりくみの強化を訴えた。第3次再審ではすでに185点の証拠が開示され、無実はいっそう明らかになっている、と説き、「証拠開示は再審への鍵だ」と訴えた。
石川さんは「この10年で裁判官が7人かわった。異例だ。楽観できない。早い時期での再審開始を願っている。手をたずさえて頑張りたい」と決意表明。早智子さんは「一雄さんには早く再審開始で無罪となり、はればれと残りの人生を送ってほしい」と語った。
「自白コース」では、実際に歩いて自白の矛盾を知り、無実を実感。復元されたカモイを見ても、捜査のプロ集団の警察がけっして見落とすことのない場所なのに、なぜ万年筆が3回目の捜査で「発見」されたのか、と無実を確信した。
現地は狭山闘争本部の安田聡・事務局員が案内し、「高検、高裁へ要請はがきを」と要請。閉会あいさつは、高野山真言宗の佐々木基文・社会人権局長がおこなった。
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