町職員・町民だれ1人指摘せず
香川県議会議員選挙公報差別事件で
県連は、万全の対策を求めて総務省に要請書を提出
県連(川田博士・執行委員長)は10月29日、今回の事案(香川県議会議員の選挙における選挙公報の発行に関する条例の第3条2に明らかに違反)を教訓化するためにも、今後の選挙公報・政見放送などで二度と、このような事態が起きないよう、万全の対策を講じるようにと「選挙公報にかかわる要請書」を総務省あてに送付し、要請に関わる協議経過と対策内容などについての文書回答を求めた。
県連は、「今回の事案は身元調査に拍車をかけると同時に、同和地区住民にたいする差別意識を助長させるもの以外のなにものでもない」と憤りをあらわにしている。
「暴力団員の六割が同和地区出身者」と
選挙公報差別事件の概要と県連の見解
【事件の概略】
4月12日におこなわれた香川県議会議員選挙の仲多度郡第1区選挙区(琴平町・まんのう町)に立候補したA候補者(落選)が、選挙公報で「警察庁の発表では、暴力団員の六割が同和地区出身者です。この数字は明らかに、これまでの同和行政が間違っていたことを示しています」と事実無根のデマをあげ、部落差別を助長し、同和行政を批判する政見を主張した。
この公報は、公職選挙法にもとづき選挙区内全戸の1万1050世帯に配布され、県連の豊明支部の告発で明らかになった。
【県連の見解】 この選挙公報差別事件にたいして県連は、5月9日にひらいた第62期第1回県連執行委員会で、問題点としては①「警察庁の発表では…」とあるが、警察庁は「暴力団員の六割が同和地区出身者」との公式発表はしていない②「暴力団員の六割が同和地区出身者」とあるが客観的事実の裏づけもされておらず、常識的に考えてその信憑性はまったくない③「これまでの同和行政が間違っていたことを示しています」は「暴力団員の六割が同和地区出身者」が事実か虚偽かにかかわらず、その原因のすべてを「同和行政」に求めるという論理的展開はあまりにも短絡的、とした。また差別性については①部落差別がいまだに根強く存在しているなか、選挙公報をとおしてのデマの流布は、差別意識を助長・拡散させ、かつ部落住民への忌避意識を増幅させ、結婚や就職のさいの「身元調査」行為を誘発させる②事実無根である「暴力団員の六割が同和地区出身者」だとして「これまでの同和行政が間違っていた」と選挙公報で政見し、有権者の一部にある部落や同和行政への批判票を取り込む狙いがあったとしか考えられず、きわめて悪質である、と確認した。
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