答申50年をさまざまな視点で
部落解放研究第49回全国集会集会を11月10日から3日間、大分県別府市内のビーコンプラザでひらき、各地から5236人が参加。「「同和対策審議会」答申50年をふまえ、人権・平和・環境を基軸にした部落解放運動の新たな展望を切り拓く理論研究と実践交流をすすめよう」を集会テーマに、シンポジウム、記念講演、7つの分科会などをもち、各地の実践と先進的事例に学び、共通する課題へのアプローチを共有した。
今後の部落解放運動と向きあい、その方向性を探ろうと全体会ではシンポジウム「「同和対策審議会」答申50年とこれからの部落解放運動」がおこなわれた。パネリストは川口正志(奈良県連委員長)、大賀正行(部落解放・人権研究所名誉理事)、奥田均(部落解放・人権研究所代表理事)、コーディネーターは西島藤彦(書記長)をもち、「同対審」答申がだされた当時、運動の最前線で聞いつづけていた活動家の視点と、答申が示した今日的な差別の現状に重なる課題と展望が語られた。
また、第1分科会「部落史・部落解放運動入門」でもシンポジウム「これからの解放運動を考える」をもち、パネリストは宮崎懐良・長崎県連書記長、宮内礼治・鹿児島県連書記次長、和田なつき・大阪府連青年部長、コーディネーターは安田茂樹・青年運働部長。部落青年の課題と活動を共有しながら、全国的なあたらしい青年運動の方向性を探った。
そのほか、全体会の地元報告では吉冨博見・大分県連書記長が「大分県における部落差別の現状と部落解放運動の課題」を報告。記念講演では村山富市・元内閣総理大臣が「戦後70年とこれからの日本を考える」をテーマに「村山談話」の背景なども語りながら「戦争をする国」へとつきすすむ安倍政権の手法を批判した。
全体会で主催者代表あいさつをおこなった組坂委員長は、部落差別をはじめ人権をとりまく厳しい情勢をあげ「人権なくして平和なし、平和なくして人権なし」を合言葉に闘いを前進させよう、とよびかけた。
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