在りし日を偲ぶ
「沖浦和光先生を偲ぶ会」が11月3日午後、大阪市内のホテルでひらかれた。主催は同実行委員会。沖浦さんは松本治一郎賞を受賞、部落問題・人権問題解決へ学問的アプローチだけでなく、各地の部落で文化、生活、芸能などで座談調査、聞き取りなどを精力的にこなすなど、机上の研究にとどまらず、フットワークを活かした活動を幅広く展開した。また、その活動は日本にとどまらずインドやインドネシアにおよんだ。
偲ぶ会には、部落解放同盟をはじめ、桃山学院大学の教え子や教職員、全国大学同和教育研究協議会をはじめさまざまな団体や個人300人が参加し、7月8日に88歳で亡くなった沖浦さんの在りし日を偲んだ。
黙祷、献花などのあと献杯の発声をした組坂委員長は、沖浦さんが部落解放運動に果たした運動・理論的に大きな役割や、歴史に埋もれてきた部落民の果たした役割にスポットをあて積極的に評価し、部落民に勇気や励ましを与え続けたことを賞賛した。みずからも諸著作に多くを学んだと語り、冥福を祈った。
想い出を語ったよびかけ人や参加者は、沖浦さんの政治や社会の変革にかけた情熱、学問への厳しい態度や研究領域の広さ、だれにでも温かく接した人柄などを紹介した。
遺族を代表してつれあいの沖浦恵子さんは、参加者に感謝をのべながら、体がつらくなってからも研究、執筆活動に意欲を持ち続けた沖浦さんの最期の日日を語った。
タレントのなべおさみさんは、東京の大森第8中学校で英語の教員だった沖浦さんが、英語を駆使した野球部員への温かい指導で、何の変哲もない選手を都大会の準決勝まで導いたことを紹介。「沖浦先生ありがとうございました」とパフォーマンスを込めた動きで会場を沸かせた。変革にかけた情熱や学問への厳しい態度が語られた
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