長野市での差別事件に判決
救済放棄の行政機関
差別容認の姿勢明らか
事件の経過
Bは、2010年に競売物件を購入して現在地に転居。当初から近隣の住民たちに暴言を吐くなどトラブルを起こしていた。Aさんにたいしては、2011年ころから嫌がらせがはじまり、2014年ころからは部落差別発言へとエスカレートした。この執拗な差別言動にたいして、Aさん夫妻は何度も警察に通報するが、結局とめることができなかった。Aさんによれば、長野地方法務局にも相談。法務局には、差別発言などへの対応を拒否されたという。同時に、長野市にも相談。Aさんは、具体的な差別発言の日時や内容を記録した書面を提出し対処を求めるが、具体的な救済への対応はなかった。
2014年8月には、「謝罪」という文書がAさん宅の近所、地域のみならず広範囲の家に投函される。これをAさんは数十軒の家から回収した(長野市がAさんに回収を指示)。その内容は、「私(A実名)は一般人ではありません。私たちは特別な人(部)です。長年隠していて申し訳ございません」というもの。長野市はこの事件について解放同盟県連への連絡もせず隠しつづけた。
2015年7月になってAさんは、解放同盟に相談の電話をする。初めて解放同盟県連はこの事件を知ることになる。県連はただちに面会し、差別発言のようすの録画を要請した。また、猶予できない事態だとして差別発言行動を止める仮処分申請の手続きの準備にはいった。9月29日付で長野地裁に「差別発言禁止など仮処分命令申し立て」をおこない、長野中央署と長野県弁護士会にも説明(要請)した。10月21日付けで長野地裁から申請通りの仮処分が出された。しかし、Bによる差別言動は一時的に収まったものの黙ったままのつきまとい行為をおこない、しばらくして差別発言を再開。12月30日には暴行事件をおこし、今回の有罪判決になった。
県連は、「事件は何も解決していない。Bが差別言動を認めて反省し、Aさんにたいして謝罪するとともに、なぜ差別発言等の行為に至ったかを明らかにすることが必要」との立場。行政責任の追及とともに、今後対応を協議するとしている。
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