鳥取ループ・示現舎による全国の被差別部落の所在地を網羅した「全国部落調査 部落地名総鑑の原典復刻版」の販売策動にたいして3月28日、神奈川県にある示現舎に横浜地裁(第3民事部有賀直樹・裁判官)が、申し立て趣旨(差別を助長する図書)を認め、出版・販売を禁止する仮処分決定を出した。この「仮処分」は、部落解放同盟中央本部が、3月22日に横浜地裁に提出した「出版禁止等仮処分命令申立書」にたいしておこなわれたもの。29日には、東京で片岡副委員長と3人の弁護士が記者会見をした。
仮処分の主文は、「1債務者は、自ら又は代理人若しくは第三者を介して、別紙書籍目録記載の著作物を出版、販売または頒布してはならない。/2 債務者は、上記著作物の製品(半製品を含む)の占有を解いて、横浜地方裁判所執行官に引き渡さなければならない。/3 横浜地方裁判所執行官は、上記記載の著作物の製品(半製品を含む)を保管しなければならない」というもの。
記者会見で川村健夫・弁護士は、事件の概要と裁判所の決定内容について、この決定は審尋をへてだされたもので、官民あげてのとりくみに逆行するものとして販売差し止めの申し立てになった、と経緯を説明した。指宿昭一・弁護士は差別を助長するホームページの削除を求めていく、鳥取ループ・示現舎の姿勢によっては、本訴にいかざるを得ないだろうとのべた。また、中井雅人・弁護士は、プライバシーの権利の侵害や名誉権の侵害などを理由にしたが、新たに「差別されない権利」を主張し受け止められた、迅速な判断を下した背景には、差別の重大性を考慮した決定であることに意義がある、とのべた。
ヤフオクに出品
関連書類一式など
裁判所の決定を無視する許しがたい行為
こうした一連のとりくみにたいして、鳥取ループ・示現舎が、申し立て、仮処分決定に関連した書類一式をヤフー株式会社が提供するオークション(通称・ヤフオク)に出品するという暴挙をおこなった。中央本部、弁護団はただちに裁判所の決定を無視した許しがたい行為であり、出品の取り消しを要請した。しかし、ヤフー社から誠意ある対応がとられなかった。
この事態は、確信犯である鳥取ループ・示現舎が第一義的に問題だが、ヤフー社の今回の対応は差別主義者に手を貸すもので、社会的責任を放棄するものと指摘せざるを得ない。
各都府県連、支部ではヤフー社にたいして抗議文、抗議電報などを集中するとりくみをおこなった。
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