【大阪支局】大阪人権博物館(リバティおおさか)にたいし、大阪市が建物の収去と土地の明け渡しを求めた裁判の第3回口頭弁論が3月11日、大阪市・大阪地裁でひらかれた。支援者がぞくぞくとつめかけ、博物館のガイドボランティアをはじめ教職員、同盟員など120人が参加した。
今回は、被告の財団側が第2準備書面を提出。その意見陳述で、常設展示の統一テーマと内容の変遷にそって提出した証拠の説明を具良鈺・弁護士がおこなった。原告の大阪市側は前回に被告側がだした準備書面に反論する準備書面を提出した。
裁判の終了後は大阪弁護士会館で報告集会をひらき、100人をこえる参加があった。リバティおおさか裁判を支援する会の共同代表2人があいさつ。花井十伍さん(特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事)は「世界的に人権にたいする攻撃がいたるところでおきている。リバティおおさかだけの問題ではなく、人権を守り抜くために微力ながら支援していきたい」とのべた。また、石元清英さん(関西大学教授)は「留学生が部落問題を研究するきっかけはリバティおおさかの見学で日本に部落問題があるのを知ったから。世界に情報発信しているリバティおおさかの存在は大きい」と語った。
裁判報告を具弁護士、丹羽雅雄・弁護士、普門大輔・弁護士がおこない、このなかで、リバティおおさかの30年にわたる運営経過にふれて、同和問題に限らず広く人権問題をあつかうことで大阪市、大阪府からも人的・財政支援を受けて開館し、展示内容も充実させていったことなどを強調した。あわせて2013年当時の橋下市長が補助金を全面廃止するまでの経緯も説明した。
大阪市が使用貸借契約が切れたと主張する点でも、それは行政の管理上、形式的に毎年1年単位で契約しているものであり、財団側ははじめから1年契約で想定していなかった。これまでのように今後も継続して契約が続けられると考える「使用貸借契約類似の黙示的合意契約」があったと財団側の主張を示した。
浅居明彦・支援する会事務局長は「多くの支援者のネットワークをひろげるため今後もとりくみを考えていきたい」と支援をよびかけた。
次回の第4回口頭弁論は5月20日午前10時から大阪地裁大法廷でおこなわれる。
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