【大阪】業務と関係ないヘイトスピーチを内容とする資料を日常的に配布、右翼的な教科書採択に動員するなどの職場で精神的苦痛を受けたと、在日韓国人女性パート社員が、府内大手住宅メーカーと同社会長を訴えた損害賠償請求訴訟の第3回口頭弁論が、4月14日午後、大阪地裁堺支部であった。原告側は、ヘイトスピーチに限定せずヘイトを含む人格権の侵害を争点にしているとのべた。次回は9月15日の予定。
裁判後の報告集会では70人をこえる参加者を前に、東京から駆けつけたヘイトハラスメント裁判を支える会共同代表の竹信三恵子さんが「これは自発性を装わせ、意に染まないことをさせる人格権の侵害。同調圧力が強まるなかで押し返すことが難しくなり、職場を辞めたくなるが、労働権の侵害だ。この人が、と思う人が、ヘイト側に転向していく姿を何例もみてきた。遠くからだが、できることをしたい」とあいさつした。
原告は、同僚から昇進して直属の上司の上役になった人物が提訴後の業務文書に「この訴訟に他の在日韓国・朝鮮人は迷惑しているだろう。今後は在日を採用しないルールができそうだ」と書いた一節を紹介し、株主総会でも訴訟については「事実ではない」と文書が1枚配られただけ、と不信感をあらわにした。
連帯アピールで、「子どもたちに渡すな!危ない教科書 大阪の会」の相可文代さんは、大阪市の歴史・公民教科書採択では現場教員の意見は無視され、7割が育鵬社を支持した市民アンケート結果が採用された、と大阪市で5人に1人が育鵬社の教科書で学ぶことになった経緯を報告。被告会社は32か所の教科書展示会場で1200校をこえるアンケート用紙を集め、秘書室で管理、中堅社員46人が部下に意見を書かせ、反対する人間は「人格が悪い」とされ、書かされる過程で洗脳されていくさまも分かってきた、と語った。
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