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NEWS & 主張
撤去されたが
差別張り紙が残した課題
「解放新聞」(2016.09.26-2780)
 【北陸支局】富山市郊外の家屋の側壁に「トーナイ(注・加賀藩独自の蔑称語-藤内のこと)だ」「奇喪異(きもい)がよ」などと一文字ずつ書かれた紙片が張りだされていた差別事件で、部落解放同盟は7月21日、張り紙が撤去されていることを現場で確認した。
  このため翌22日は、差別事件への対応を求めていた各行政機関を訪問し、これまでの対応状況の説明を求めた。
  富山市は、7月19日に(当該地区を担当する)地区センターから張り紙がはずされていると連絡があった。16日にはあったので、17、18日の休日にはずされたのではないか、と説明。これまでに地区センター、富山地方法務局に連絡や情報提供したものの、張り紙をしていた住民には働きかけをしていなかった、と回答した。富山県も現場の確認をして富山市と法務局に情報提供しただけだった。法務局は、「周辺住民に啓発チラシを回覧するよう富山市に依頼した」と説明。富山市に確認したところ、チラシの回覧がおこなわれる以前に、張り紙がはずされたことがわかった。
  こうした状況から、部落解放同盟では、行政の「具体的な対応はなく、本人がとりはずしたと考えざるを得ない」とし、長期にわたり放置されていたことや、通学中の子どもたちの受け止めなどの問題が今後の課題としている。

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