在日特権を許さない市民の会と桜井誠・前会長から民族差別と女性差別を受けた在日コリアンの李信恵さんが550万円の損害賠償を求めた反ヘイトスピーチ裁判の判決が9月27日、大阪市・大阪地裁(増森珠美・裁判長)でおこなわれた。77万円の支払いを命じる判決で裁判は勝ったものの、支援者からは額が低すぎると批判の声があがった。
気温が32・5度まであがったこの日の大阪。傍聴券を求める李さんの支援者で大阪地裁の玄関前に設けられた待機場所は埋まり、その熱気で一段と暑かった。そんななか李さんをはじめ弁護団・支援者ともに勝利の確信にみちた表情だった。一方の在特会側だが、桜井前会長は裁判に姿を現さず支援者も1ケタの傍聴しかいなかったうえ、裁判の負けを予想してか暗い顔つきだった。
また、記者席が足りなくなるほど、マスコミの関心を集めた裁判だったことも支援者から注目された。
裁判自体は、増森裁判長が77万円の損害賠償金額を示した判決をのべ、あっさりと終了した。
報告集会では、弁護団の大杉光子・弁護士が裁判の内容を説明した。弁護団は民族差別と女性差別の複合的な差別であることを強く訴えてきたが、この裁判で民族差別は認められたものの、女性差別については認定されなかった問題点を残した。また、桜井前会長などの差別発言については裁判所も悪質と評価したが、それに見合う賠償金額にならなかったことに支援者と同様に弁護団も不満を表明した。
民族衣装のチマチョゴリを着て裁判にのぞんだ李さんは、「いっぱい報道記者がきた。これも支援のおかげ。まだ裁判は続くと思う。人権問題に終わりはない。明日からも一歩一歩胸を張っていけたらと思う」とあいさつをした。
この集会では、部落解放同盟からも、大阪府連のほか、京都府連、山口県連の仲間が参加し、ともに闘っていく決意を表明した。
なお、桜井前会長は27日のツイッター上で、弁護士に「控訴をお願い」していると書きこんでいる。
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