【大阪】業務と無関係なヘイトスピーチを内容とする文書の日常的配付や、右翼的な教科書採択への動員などにより、職場で精神的苦痛を受けた、と在日韓国人の女性パート社員が、府内大手住宅メーカーと同社会長を訴えた損害賠償請求訴訟(前回は2781号既報)の第5回口頭弁論が12月15日午前、大阪地裁堺支部であった。原告側は在日コリアンの法的地位を植民地時代から歴史的に説明し、被告側は会長の配付物について認否、配付意図・目的をのべた。
裁判終了後の報告集会には60人が参加した。ヘイトハラスメント裁判を支える会共同代表の寺木伸明・桃山学院大学名誉教授が、提訴後も会社にとどまって闘う原告を支え、裁判に勝利することが、原告そして同様に苦しむ仲間の幸せに繋がる、とあいさつ。村田清治・弁護士らが第5回口頭弁論について解説した。
被告は2013年9月までの配付物について目的・意図を説明し、会社と会長は同じ立場だと認めた。日本の子どもが自信をもてず親や国を大切に思えないのは自虐史観が問題だとし、専門家の文書を配った、と説明。表現の自由の行使で人種差別的意図はなく、存日コリアン役員・従業員もいるとするが、違法でないことの説明がつぎの焦点になる。そのうえで、会長が韓国・中国を定め、従業員やその家族の意識も変えようとする問題性を指摘した。
原告は「当初は過ごしやすかった会社の空気が会長の活動で変わり、自分も何もいえなかった。怖いのは自分の意思を出せずに流され、この道しかないと思い込んでいくこと。まだ道があるうちに問題の本質を知ってもらうことで未来に繋がってほしい。多くの人に知ってもらえるよう力を貸してほしい」と訴えた。次回は3月9日午前11時から。
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