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NEWS & 主張

「推進法」の意義発信し、周知徹底へ各地でとりくみ強化を
「部落差別解消推進法」具体化への各地の取り組み

「解放新聞」(2017.04.10-2806)

条例制定へ前進 <埼玉>

 【埼玉支局】 熊谷市では今年の市議会第1回定例会の3月13日、本会議で千葉義浩・市議(民進・社民の会)が「「部落差別解消法の成立について」一般質問をおこなった。千葉議員は、「推進法」の全文を読みあげるとともに、成立にいたった経過とその意義についてのべたうえで、市と教育委員会の見解を求めた。

 富岡清・市長は結婚や就職など現存する部落差別の例をあげ、「推進法」成立を受け、あらためて「人権施策推進指針」や「同和行政基本計画」にもとづき教育・啓発をすすめ、早期解決をめざしてとりくむと回答した。長谷川泉・総合政策部長は、相談体制強化や総合振興計画改定の課題をあげ、実態調査についてはひき続き「人権に関する意識調査」を定期的に実施すると回答。また全戸配布のリーフレット「あなたはどう考えますか」への「推進法」掲載をはじめ、市民啓発をおこなうとのべた。

 野原晃・教育長は、研修を通じて各学校・教職員にたいして「推進法」周知徹底にとりくむとともに、同和教育を柱にした人権教育をいっそう推進するとの姿勢を示した。

 県連では昨年12月の埼玉県議会での「部落差別禁止条例制定を前提に検討する」との回答をふまえて、「推進法」の具体化への県知事の姿勢を問うとともに、4月の県連大会での論議をふまえ、市町村、企業・宗教団体・労働組合・商工団体など各種団体に「推進法」の周知と意義について積極的な働きかけをおこなうことにしている。

法の理念具体化を <和歌山>

 【和歌山支局】 県連特別執行委員のふじ本まり子・県議が3月6日の県議会本会議で質問。ふじ本県議は昨年12月に国会での「部落差別解消推進法」制定・施行を報告したうえで、鳥取ループ・示現舎の「全国部落調査」復刻版をめぐる情勢のように、いまなお全国の部落の所在地が閲覧できる状態について、県の考えを問いただした。

 答弁に立った仁坂吉伸・県知事は、「私も良く知って遺憾に思っている。これまでの成果をさらに前進させていくことや、さらに実効性のある法整備を国に訴えていきたい」とした。インターネット上の部落差別の拡散の問題については、高瀬一郎・県企画部長が「実態把握をおこない国に働きかけていく」と答えた。

 県連は「推進法」制定以前からとりくみ続けてきた県や人権局などとの協議を今後も重ねながら、「推進法」の具体化に向けて「県人権尊重の社会づくり条例」での部落差別の解消へ向けての具体的な提案や、実態調査についても「推進法」の理念を具体化させた実施へとりくんでいくことを確認している。

法周知へ県がCM作成 <鳥取>

 【鳥取支局】 鳥取では県議会の代表質問(3月2日に森雅幹・県議(民進党))と、一般質問(3月16日に福間裕隆・県議(民進党))との2度にわたり、平井伸治・県知事に「部落差別解消推進法」制定後のとりくみについて質問をおこなった。

 代表質問では所見について「解消法」の制定によって自治体の責務として人権侵害を受けたさいの相談窓口の確保や部落差別事象の事例づくりなど、これまでよりも前にすすんだ対策の実施へ努力したいと答弁。インターネット上での部落差別の拡散についても、これまでの司法の鳥取ループ・示現舎への判決をあげながら法制定は大きな前進、とのべた。また県の人権意識調査で差別意識は解消されていないとする県民の意識が明らかになったことやネット上での部落差別などを示し、部落差別解消へ県として全力をあげていきたい、と決意をのべた。

 県連では、12月の「推進法」制定後に県や教育委員会などと意見交換をおこない、とくに「推進法」の周知、具体化に向け要請をおこなってきた。

 テレビCMでの「推進法」周知については県連女性部も県との意見交換会で要請をおこない、3つの地元放送局で3月15日から31日まで放映された。今後、部落解放鳥取県共闘会議での学習もおこなうこととしている。

地元から要求運動を <大阪>

 【大阪支局】 「「部落差別解消法」具体化要求八尾行動隊」の結団式を3月22日に八尾市・安中第1集会所でひらき、西郡支部と安中支部の支部員50人が参加。5月上旬までに①普及啓発物の作成②市長、教育長への要望行動③地元選出の府議、市議への行動④各種団体などへの要請行動⑤市民への周知行動、を安中支部の笠原辰司・書記長が提起し、承認。府内でもっとも早い行動隊結成となった。

 結団式では安中支部の池上豊・副支部長を講師に「部落差別解消推進法」制定の背景や法律の内容と意義、課題を学習した。また地元選出の吉村拓哉・市議会議員も開会中の議会で、人権予算削減への反対やインターネット上での差別について市に問う発言をおこなう、との決意をのべた。来賓あいさつで村井康利・府連書記長(中執)は「推進法」制定の発信を「周知徹底するとともに部落差別が根深く存在していることを世に問うことがひじょうに大事」とのべた。


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