「解放新聞」(2017.04.10-2806)
【大阪支局】 大阪市の奨学金裁判が3月24日、大阪地裁でひらかれ、市内ブロックを中心に30人が傍聴に参加した。大阪市側から第8準備書面、弁護団からは最終準備書面を提出し、報告集会では裁判の現状について弁護団から報告があった。
大阪市は当時、奨学金を受給する条件として人材養成奨励事業を導入。奨学生は講座などに参加し、レポートを提出することで返還を免除され、実質的給付と奨学生は説明を受けていた。
2002年の「地対財特法」が失効後も、在校生全員が卒業するまで人材養成奨励事業のもと奨学金の給付は続いた。大阪市は議会の承認をへて免除手続きをすすめなければならなかったのに、それを怠って放置し続け、突然、奨学金受給者へ支払いの催促をはじめている。
大阪市と違い、大阪府では、議会で必要な手続きをとったことで適切に受理されており、その結果、受給当事者に返還請求は一切おこなっていない。
第16回口頭弁論で元大阪市職員が証言に立ち「当時の奨学金は返済免除制度であったと理解している」と回答している。大阪市は返還すべきであったとするならば、それを証明できる証人を出せばいいにもかかわらず、誰も出せずにいる。
当事者からは「みなさんの支援が支えになり励まされている。気を抜かず今後も闘っていきたい」「この判決でつぎの後輩の判決も大きく左右されるはず。勝利できるように力を貸してほしい」と訴えた。
赤井隆史・府連委員長は「反転攻勢に出られるか重要な裁判となっている」と支援をよびかけた。
次回の裁判は判決となっており、5月26日午後1時10分から大阪地裁でおこなわれる。
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