「解放新聞」(2017.04.24-2808)
DPI(障害者インターナショナル)日本会議は「「障害」によって分け隔てられない社会に向けて 障害者差別解消NGOガイドラインプロジェクト第3回成果報告会」を3月28日午後、参議院議員会館でおこない、100人が参加。2014年に開始したガイドライン作成プロジェクト報告と、内閣府、厚生労働省、国土交通省からの報告、記念講演、シンポジウムにとりくんだ。
ガイドライン作成を報告したDPI日本会議の田丸敬一朗・事務局長補佐は、「障害者差別解消法」が周知されておらず、相談窓口の相談員もふくめて合理的配慮が理解されていないことをあげ、事例収集継続の必要性を訴え、19年の法見直しに向けて実効性ある法の実現へとりくむとした。佐藤聡・事務局長は主催者あいさつで、障害者団体からガイドラインの提案をとはじまったプロジェクト最終年度の今年までに▽差別事例収集は1000件▽事例の分類・分析を関係省庁に提案し、対応指針に反映▽全国10か所でのタウンミーティングを各地の条例づくりに反映、と報告し、障害者の側からのとりくみの重要性を提起した。
記念講演で、明石市福祉部福祉総務課の金政玉・障害者施策担当課長が、明石市のとりくみとして市障害者配慮条例の制定の経過と内容を報告。合理的配慮の提供を支援する助成制度についても解説した。シンポジウム「「障害者差別解消法推進キャンペーン〜そうだ、相談窓口つかってみよう!〜」から差別事例を考える」では、▽障害者の欠格条項によってクレジットカード加入を拒否されたが粘り強い異議申し立てで加入した事例▽都民共済での精神障害を理由にした加入拒否は「差別ではない」と拒否され続けている事例が報告された。コメンテーターをつとめた金政玉さんは「法のいう合理的配慮への理解がないことの表れで「健康な人」だけを対象とするのは、中立を装っているが「間接差別」だ。差別解消法を使い倒す意気込みが必要」と差別対応の事例収集や申し立て運動の継続が何よりのアイテムになるとまとめた。
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