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施行1年記念し集会〜「ヘイトスピーチ解消法」で

「解放新聞」(2017.06.19-2815)

 国内の深刻な人種差別の存在をずっと否定してきた日本政府が、被害を認め、在日外国人にたいするヘイトスピーチを解消するとりくみの推進を宣言した「ヘイトスピーチ解消法」。施行1年目にあたる6月3日午後、東京・在日韓国YMCAアジア青少年センターで記念集会がひらかれ、133人が参加。被差別当事者、研究者、弁護士らが現状と課題を報告し、「人種差別撤廃基本法」制定などを盛り込んだ集会アピールを採択した。

 集会テーマは「ヘイトスピーチ解消法施行1年〜その現状と課題、人種差別撤廃基本法の実現へ」。主催は、外国人人権法連絡会、移住者と連帯する全国ネットワーク、人種差別撤廃NGOネットワーク、のりこえねっと、ヒューマンライツ・ナウ。

 1年間のヘイトスピーチの実態は、社会学者の明戸隆浩さん(関東学院大学ほか非常勤講師)が報告。また、「現場からのリレートーク」として、在日コリアン、ニューカマー移住者と、本法の対象外とされたアイヌや琉球・沖縄の当事者、そして抗議行動の現場からも、ネット、図書、テレビ、公人の発言など、いまも続く深刻なヘイトスピーチと、過酷な就労実態など、ヘイトスピーチだけでない差別の実態が報告された。

 明戸さんは、街頭の実態とネット上の実態を、法務省「参考資料」(非公開)のヘイトスピーチの3類型(①生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加える旨を告知②著しい侮辱③地域社会からの排除を煽動)で分類。法務省が煽動を「追い出せ」などの直接的煽動に限定している問題を指摘し、また、実例との突き合わせを重ねて「何がヘイトスピーチか」を明確化する重要性を指摘。ヘイトスピーチではないように見せかける事例も紹介した。

 法務省による初の外国人住民調査報告書(3月)は、関西学院大学の金明秀(キム・ミョンス)・教授が解説。▽地域から疎外(自治会加入者は30%)▽入居、就職の深刻な差別(「入居を断られた」は一般永住者42%、定住者42%、特別永住者27・2%、その他47・2%。「就職を断られた」は25%▽差別実態は国籍で3集団に大別▽3割が差別発言を直接経験▽被害回避へ在日コリアンの4割がネット利用を回避、などの実態を説き、包括的な差別禁止の法整備を訴えた。

 自治体などへの日弁連アンケート(昨年10月)の結果は、北村聡子・弁護士が報告。相談窓口や施設使用許可などの動向を語った。

 集会アピールは、国・自治体の施策や、人種差別撤廃の「基本法」「条例」、禁止法、個人通報制度、国内人権機関など盛り込んだもの。外国人人権法連絡会の師岡康子・弁護士が解説して読みあげ採択した。

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