「解放新聞」(2017.06.26-2816)
法務省交渉を5月22日午後、省内でおこない、部落解放同盟から中央本部の和田中執をはじめ13都府県連16人が参加した。法務省からは、森本加奈・総務課長、前田敦史・調査救済課長、中村誠・人権啓発課長らが出席した。
冒頭に和田中執は、「推進法」制定をふまえて、法務省が責任省庁なのか、「人種差別撤廃条約」に部落差別はふくまないとしてきた政府見解は変更されるのかを問いただしたが、省はこれに明確に答えず「推進法」制定をふまえて「相談・啓発」をすすめるとした。
実態調査については調査の内容・手法の調査研究作業をすすめているところとのべ、2月に地方自治体にたいしておこなった「同和問題についての調査に関する照会」については、調査の内容・手法を検討するための参考資料収集で集約公表する予定はないとした。
インターネット上の部落差別への対応策として、通信関連業界4団体の代表で構成されている違法情報等対応連絡会に「推進法」の趣旨を説明し、「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」の解説が3月に改訂され、禁止事項にヘイトスピーチや差別を助長する目的で特定地域を同和地区であると示す情報をネット上に流通させる行為がふくまれることが明記されたとのべた。
人権相談を担当する法務局職員や人権擁護委員を対象に「推進法」の趣旨を盛り込んだ研修の実施、人権教育啓発推進センターへの委託事業として、地方自治体職員の指導者養成研修や国家公務員研修に部落差別とインターネット上の差別を入れる、「推進法」のリーフレットを作成中と回答。
参加者からはヘイトスピーチと同様に「推進法」を周知するためのポスターの作成をすすめてほしいと要望が出された。
和田中執は、「法律で「現在もなお部落差別が存在する」ことが明記された。政府として部落差別は許さないという姿勢を示すことが大事だ」と強調、法務省が中心となって「推進法」にもとづくとりくみのガイドラインを示すよう求めた。
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