「解放新聞」(2017.07.03-2817)
【大阪】 反ヘイトスピーチ裁判が6月19日午後、大阪市・大阪高裁(池田光宏・裁判長)でひらかれ、77万円の支払いを命じた1審の大阪地裁判決を支持して双方の控訴を棄却。そのうえで人種差別を認めた1審の判決に加え、ヘイトスピーチが女性差別との複合差別だったとの判断を示すふみ込んだものとなった。
在日特権を許さない市民の会と、桜井誠・元会長(日本第一党党首)が、在日コリアンの李信恵さんにたいしておこなってきた差別発言の数数に、やっと裁判所が正面から向き合った。この結果を李さんをはじめ支援者は喜ぶ一方、それに見合う賠償額の増額とならなかったことを残念がった。池田裁判長は、入廷後すぐに「棄却」とのべたうえ、判決の要旨を語った。「(要旨は)いわないことが多いので、きょうは、どうしたのかな、と思った」(大杉光子・弁護士=代理人)という感想が聞かれる出来事だった。そのなかで、李さんと弁護団が2審で強く訴えてきた民族差別と女性差別の複合差別を認める判断が示された。
報告集会には80人の支援者が参加。上瀧浩子・弁護士(代理人)の報告に続き、李さんが「ネット上の差別の拡散のことに触れなかった」判決に不満を示しつつ、「桜井元会長がやってきたことに判断がでた」ことを歓迎。今後も「被差別当事者と一緒に闘っていけたらいい」と決意を語った。最後に、弁護団と李さんに支援者から花束が贈られて、勝訴を祝った。
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