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書きたい思いが原点と〜応募総数142点から12作品が受賞
第43回部落解放文学賞-表彰式・懇親会ひらく

「解放新聞」(2017.07.17-2819)

 第43回部落解放文学賞の表彰式と懇親会を7月8日、大阪市内のホテルでひらき、受賞者、選者など55人が参加した。

 今回は識字部門で1作品、記録・表現部門で2作品、詩部門で2作品が入選。佳作として識字部門1作品、詩部門で3作品、児童文学部門で1作品、小説部門で2作品が受賞した。

 識字部門では、大阪の日之出よみかき教室で日本語学習にとりくんでいたベトナム人のチャン ティ ベンさんが受賞した。ベンさんがベトナムに帰国していたため、受賞式では教室の学習パートナーの中道由美子さんが代理として表彰状を受けとった。

 表彰状は実行委員長の鎌田慧さん(識字/記録・表現部門最終選者)が手渡し、作品づくりへの日頃の苦労をねぎらった。

 懇親会にうつり、詩部門最終選者の金時鐘さん(詩人)の音頭で乾杯。選者それぞれの選評に続いて、受賞者も自身の作品や今後の創作活動について意気込みを語った。懇親会の開会を前に、第3回から詩部門の1次選者だった直原弘道さん(詩人)と第18回から評論部門の1次選者だった笠松明広さん(前解放新聞編集長)へ黙祷を捧げた。

 鎌田慧さんはベトナム出身のベンさんの入選作品「思い浮かぶ事」について、故郷のお父さんを思い浮かべて描いた作品で、読んでいくうちに姿が見えてくるようだ、と選評。書きたいという祈るような気持ちが識字運動の中心、日本語を学んでいる人の表現が日本語を豊かにする、とのべる一方で、部落解放運動のなかで表現されていないこともまだまだたくさんあり、表現活動で掘りおこすとりくみが広がれば、と語った。

 閉会あいさつをおこなった伊藤事務局長も、部落解放運動のなかでの表現活動について、闘いのとりくみの中身を豊かにするだけでなく、とりくむ側の内面を掘り下げるのに大きな意味をもっているとのべ、部落解放文学賞のとりくみをさらに深化させたい、とまとめた。

 第44回部落解放文学賞の作品応募締め切りは10月31日(当日消印有効)。

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