「解放新聞」(2017.08.14-2823)
【大阪】 朝鮮学校を高校無償化対象から除外したのは違法だとして、大阪朝鮮高級学校を運営する大阪朝鮮学園が国にたいし処分取り消しなどを求めていた裁判で、大阪地裁は7月28日、違法と認め、国に処分取り消し、無償化対象への指定義務づけを求める画期的な判決を出した。同種の裁判は、大阪をはじめ福岡、広島、名古屋、東京の5つの地裁でも争われており、7月19日に広島地裁で示された初の判決では、朝鮮学校と卒業生ら原告の全面敗訴となっていた。
同日夜、朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪の主催で大阪市立東成区民センター大ホールで「大阪「高校無償化」裁判判決言い渡し報告集会」がひらかれた。会場は、原告全面勝訴の判決を喜ぶ朝鮮学校の生徒・卒業生、保護者、支援者を中心に700人もの参加者の明るい熱気に満ち溢れた。
集会は大阪朝鮮高級学校生徒によるコーラスと舞踊で幕を開け、「みなさんの力で国に勝ちました」の第一声で、原告弁護団の金英昭・弁護士が判決について報告した。被告側があげた政治的理由は無償化対象に指定しない「特段の事情」にあたらないとし、文科大臣の裁量権の逸脱・濫用を認めたと、その意義を解説、「控訴させないよう圧力をかけつつ、控訴審に備え、力を合わせて頑張っていきたい」とのべた。最後に弁護団10人が登壇し、弁護団長の丹羽雅雄・弁護士が「戦後の民族教育の歴史についてきちんと判断している。8月の補助金裁判も真っ当に法律を解釈すれば、勝てる。頑張ろう」としめくくった。
集会では、大阪朝鮮学園、主催者が勝訴判決を歓迎する旨の声明文を読みあげ、敗訴を覚悟したという大阪朝鮮高級学校オモニ会の高吉美・会長はじめ、東京、愛知、広島、九州で闘う仲間が、大阪に続きたいと力強くアピールした。大阪朝高在学生代表も、「差別は差別しか生みません。ウリハッキョの未来は私たちが守っていきます」と堂堂とのべた。韓国で高校無償化を応援する仲間からの映像メッセージを携え、韓国から駆けつけた「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」委員長のチェ・ウナさんも、64団体による合同声明にそって「私たちは勝利のその日まで、みなさんとともに闘います」とアピールした。
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