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NEWS & 主張

再発防止申し入れ~県職員の戸籍不正取得で
新潟県・戸籍謄本等不正取得事件

「解放新聞」(2017.08.14-2823)

 新潟県の職員と嘱託員による「公用」と偽っての戸籍謄本等不正取得事件が3月に発覚した。新潟県の報道資料では、職員は、嘱託員に依頼して昨年5〜7月、自分の親族の戸籍関係書類や住民票の写し174件を24市区町村から取得していた。また、この嘱託員も2014年7月〜15年1月、自分の親族の戸籍関係書類や住民票の写し149件を19市区町村から取得していた。どちらも公用と偽って請求していた。行政の責任は大きく、新潟県連と中央本部は、県に再発防止を申し入れている。

 取得先は全国におよび、新潟県外では31市区町から109件が取得された。中央本部は、関係7都府県連を通じて協力を依頼し、真相解明に向けてとりくみをすすめてきた。結果、①新潟県は3月30日前後に関係市区町に報告・謝罪し、その後、本人対応、不正取得書類の取り扱い、発行費用弁済に関する通知を出した②公用請求は14年6月〜16年6月におこなわれ、16年6月が多い③被害者本人への通知は新潟県が対応することとなった、などが判明した。

 今回の事件は新潟県だけの問題ではなく、職権(公用)で第三者の戸籍等が取得できる限り、都道府県・市区町村で、当該担当者(部局)の人権意識と管理システムについての現状把握と検討が必要だ。また、「本人通知制度」を導入している自治体のなかにも、今回は新潟県が本人に連絡・謝罪するということで、当該自治体からの本人通知はしないと判断した自治体もある。しかし、被害者が住民票をおく自治体として、「本人通知制度」の趣旨をふまえた主体的な判断と運用が求められる。

 今回の事件を教訓化し、「公用」請求などもふくめ、例外をつくらない「本人通知制度」への改善についても、検討をすすめることが求められる。

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